「今がドン底だ、ドン底なんだ‥。」と
言い聞かせながら
涙が滲み出ていたあの頃。
母の声が無償に聞きたくて電話した。
「元気だった?」
「うん。元気。」
母には言えず電話を切る。
お母さん。こんなに大きくなったのに
娘でいさせてくれてありがとう。
もう少しだけ娘でいさせて下さい。
我儘な娘より。
「やるぞ、やるぞ、やるぞー」とか
「やればできる!」とか
言葉を思い出してやる気になるけど。
道具を買ってやった気になったり
始めたけれど継続出来なかったり。
高校生の時、セーターを編もうとして
前身頃だけ編んで満足して
たくさんの毛糸玉をみて空しさを感じていた事を何故か思い出す。
それでも
何かを変えたくて 変わりたくて
いつまでも自分探しをやっている。
さぁ やりますか。
「小さな事も一歩から」
夜、寝る前に歯を磨く。
うがいをして、コップと歯ブラシを片付けて、口元をタオルで拭きながら顔を上げると鏡の自分中の自分を見てしまった。
「うん‥」思わず声に出して、上目遣いのままの角度でグッと鏡に顔を近づける。
(なんだ‥。このおでこのシワは‥)
真正面と思われ角度に顔を戻し、シワをなかった事にしたい様に指3本でグググッと下から上に押しながら、さらに鏡にグッと近づける。
(うーん、目の下もなんだか‥たるんでいる様な‥。)
指2本で両目を狐目になるくらいにグイっと、持ち上げてみる。
(なんだか‥ほうれい線も深くなった様な‥。
全部の指全体で両頬をこめかみ方向にグイグイと持ち上げてみる。
(あれ?あごもなんだか‥。)
手のひら全体でグイーンと両耳方向に持ち上げみて‥。
パッと手を離して‥。にっこりと鏡に向かって今日1番の笑顔。
からの‥、突然の真顔。
「寝るか‥。」と、小さく声に出して
「パチン」と少し大きな立てて洗面所の電気を消した。
(あー‥うん。そっか‥。そうだねー‥)
朝一番で辞令を見て頭の中で無理矢理納得自分で納得させる。
「まぁ‥ 仕方がない」と口に出してみる。
今月も一緒に働いてる人が辞めていく。
体調や賃金、家族のトラブル‥。
色々それぞれの理由があって辞めるのは
しょうがないと思ってるのだけど‥。
辞めていく人を元気に見送る事が
できるまで、少しだけ時間がください。
必ず「何とかなるから大丈夫」と笑顔で
おくれるまでにこっちも元気になるから。もう少しだけ落ち込ませてね。