綺麗な夜空を見上げていて、月と目が遭う。
月の光は月光という。
そして、月影というのも月の光のことである。
光と影。
対義語のようなのに、時に同じものを指す。
日本語って奥が深くて面白いね。
【光と影】
そして、誰もいなくなった
真っ先に浮かぶのはアガサ・クリスティの名作。
ナーサリーライム、いや、マザーグースの呼び名のほうがよく知られているか、西洋のわらべうたを上手に使って、登場人物が全員人形とともにひとりずつ消えていくミステリーだ。
今でこそアイデアの出尽くし感のあるミステリージャンルだけど、読んだ当時はトリックを見破ろうと集中したものだ。あれはまだ中学生だったか、担任が超がつくほど薦めてくれて読むに至った。
ちなみにもう一冊薦められたのは、アクロイド殺しだ。こちらも面白いし名作だと思う。
多感な時期だったから読書が楽しかったのか。
今はコナン君に食指が動かない。コナンといえば未来少年かバーバリアンかジョイスティックだ。これが歳を重ねるということなのかも知れない。
【そして、】
「タイニーラブとは、1991年にイスラエルで誕生した赤ちゃん用知育玩具ブランドです」
わたしは今日のお題と検索結果を何度も見返した。
「タイニーラブは、1991年にイスラエルで誕生した赤ちゃん用知育玩具ブランドです」
うん、1991年かあ。
その頃はもう受験戦争只中で、わたしに赤ちゃん玩具は必要なかったな。
【tiny love】
小さい頃のお誕生日は、自分にとって特別だった。
小学校でその日はお誕生日を祝ってもらえた。
家に帰るのが、楽しみだった。
だけど、わたしの誕生日に養母が亡くなった。
誕生日、わたしは学校から帰って心を躍らせていた。
でも、お祝いは、なかった。
お座敷にお坊さんが来て、長く正座をさせられた。
用意したお菓子はお坊さんのためのものだった。
おもてなしをして、お見送りして、おしまい。
わたしの誕生日が祝われることは無くなった。
お坊さんが来なくなっても、わたしの誕生日は養母の墓参りのための日になった。
【おもてなし】
いつまでもいつまでも、心の中にあの日の焚き火が燃えている。
僕が描いたクレヨン画。
空を青く塗りつぶして、明るい太陽を黄色く塗った。
幼稚園の時のお絵描き。
太陽は赤だと大人に言われた。
僕には昼間の太陽は黄色か白に見えていた。
先生にも親にも赤に塗り直すよう言われた。
僕は、おひさまはしろいもん、と言った。
すると親は僕の絵を取り上げて、焚き火にくべた。
丸まって燃えていく僕の絵。
幼い僕は悔しくてわあわあ泣いた。
それからクレヨンを使わなくなった。
あの日の焚き火は今も心の中で勢いよく燃えている。
【消えない焔】