若葉

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5/13/2024, 12:25:18 PM

天に向かい立ち昇る雲の中で
微小な霧が震えながら浮かぶ
白い霞の中で手に触れた花弁
それはゆめに咲く名も無い花
失われた時間の片隅で花開く
過ぎた喜びも悲しみも思い出
忘れられた記憶の彼方に散る

#失われた時間

5/8/2024, 12:12:15 PM

一年前に見かけた花が今年もまた咲いているけれど いつも決まって日向でくつろいでいた野良猫がいない

何も変わらないようで常に変化していく日常の景色 変わらないものなどないのにいつもの毎日に安心する

いま毎日見ている風景がこれからも必ず見られるか 保証はないけれど
一年後も千年後も花が咲き木の葉が芽吹き生命あふれる春であってほしい

#一年後

5/7/2024, 12:03:56 PM

…まだあげそめし前髪の…という言葉が浮かんでくるのは昭和人間の証拠なんでしょうか。それとも、あの詩は今でも教科書に載っているのかな。

祖母は島崎藤村と同じ信州の出身で祖父とは家同士で決められた結婚をしました。結婚前は他に恋仲だった男性がいたそうですが、昔はそういった主張が通るはずもなかったのでしょう。

恋仲の人は詩人だったらしい、という親族の話を聞いたのは祖母の葬儀の日でした。前後のやり取りは忘れてしまいましたが妙に印象に残って、四半世紀経っても覚えています。

その昔、昭和初期の若かった祖母と詩人との淡い初恋の日々を思うとなんだか切なく惹かれます。

#初恋の日

5/6/2024, 11:06:50 AM

明日ですべてが終わるなら
毎回断念していた贅沢をしたい
飛騨牛ステーキとか
イクラや大トロの海鮮丼食べたい
高級ホテルで絶景の露天風呂に浸かって
また今度来たいねって
一緒に思いながら終わりたい

#明日世界が終わるなら

5/4/2024, 11:03:24 AM

春の山は音に満ちている
無数の木の葉のざわめき
つま先で弾ける枯れ枝
岩間から流れる湧き水
飛び立つ鳥のはばたき
遠く列車の音
ふと足を止め耳を澄ますと
里山の息遣いが聞こえる

#耳を澄ますと

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