ずうっと前の話、僕は自由に考えることが許されない天界で、神様の使いとして働いていた。
ある日のこと、禁じられていた「大審問官」を読んでしまい、その内容について考えていたら、神様から地上に落とされちゃったんだ。
堕天使になってしまったけど、後悔はしていない。
だって自由に考えられるって素敵だし、人間界は感情豊かで活気に溢れているから。
今は神様と仲直りをしたよ。
でも天界には戻らずにしばらくは猫の姿で地上にいるって決めたんだ。
「後悔」
イケメン猫は
雲をソファにして寝転び
風に揺れる。
思考は解放される。
"生きるって風のように流れることだよ"
心の余白に浮かぶ言葉。
風に身をまかせ
新たな世界観を見つける。
「風に身をまかせ」
ピアノ小品集。
リラックスしてると
ふとした瞬間に
意識の片隅で
あの頃の風景が
色濃く浮かび上がる。
瞳を閉じるとさらに鮮やかに蘇り湧き上がる。
静かな時間。
「失われた時間」
ペターポはママが大好きなんだ。ママはとっても優しいしペターポの欲しいものは何でも用意してくれるの。だからペターポはずっとママと一緒にいたいと思って大人にならないと決めたの。
そんなペターポにイケメン猫は魔法で将来の姿を見せたんだ。
ママはいつの間にか歳を取ってペターポのお世話をしてくれなくなっちゃったの。
ペターポはママのことを心配しなきゃいけなくて、わがままを言って泣いちゃったりもしたんだ。
そしてある日、ママは困った顔をしながらこの世を去ってしまった。
もう誰もペターポのわがままを受け入れてくれる人はいなくなっちゃったんだ。
この未来を見たペターポは
「僕はちゃんと大人になる」と決心した。
自分のわがままを我慢することを覚えたんだ。
「子供のままで」
成瀬君の心臓は硬い金属の鐘ようにカンカンと叫んでいる。
理沙ちゃんに小さな声で
「好きな人いるの?」と聞く。
微笑みかける理沙ちゃんの瞳に映る
成瀬君の緊張と期待。
恋の予感が芽生える空気。
「愛を叫ぶ」