僕の親は言い方きついところがある。
でもそれは愛情の裏返しだと。
最近になって知りました。ごめんねおかあさん。
鳥のように空をとべたらな。
誰しもが一度は考えたことがあるはず。
鳥のように。気楽にとんでいたいな。
鳥のように。排泄を外で楽に済ませたいな。
鳥のように。勉強しなくてよかったらな。
鳥も同じこと思ってるかもしれませんね。
人のように。地面を歩けたらな。
人のように。迷惑をかけない排泄が出来たらな。
人のように。勉強してみたいな。
実に面白い。
主観ときゃっかんとでもいうのでしょうか。
ええと。さよならを言う前に…
あなた達に言わないといけないことがあります。
実はあの子を殺した犯人は私です。
驚くでしょう。
いじめっ子のアイツだとクラスのみんな信じていましたから。
それをいい事に私は黙っていた。許されないことです。
ごめんなさい。
はあ。やっとあなたたちに言うことが出来ました。
そしてごめんなさい。白うさぎのしろちゃん。
餌をやり忘れてしまったのは正真正銘この私です。
ほんとうにごめんね。
ああ。時間を取ってすみません。
では同窓会これにてお開きにしましょうか。
『さようなら。』
その場にいた全員が白うさぎと聞いた時
そっと胸を撫で下ろした。
でも、うさぎだからっていのちはいのちですよね。
はあ。
今日の心の空模様は真っ黒。
家族で仲良く話せなかった。
仲直りもできなかった。
また明日から黒い空が広がるのだうか。
なんかもしかしたら辛いのかも。
明日は綺麗な空模様でありますように。
そう願って僕は眠りにつく。
『ただいま。』
誰もいない部屋に向かってそうつぶやく。子供の頃から親にただいまは絶対に言いなさい、と躾られてきたから。靴を脱ぎ、電気をつけてゴミの日が来るまで家に置いてあるゴミ袋などで溢れかえった狭苦しい廊下をそろそろと歩く。
荷物を置いて、洗面所に向かう。私は自分の手に集中して自分の疲れた顔なんか見ずに手を洗う。うがいも済ませ、一度部屋に戻る。
そして私は、あらかじめ部屋干ししておいた洗濯物を取り込む。今日着る下着だから畳まずそのままカゴに入れておく。
『よし、始めるか。』
私はおもむろにメイクポーチを机の下から取り出し、会社用のメイクをサッと落とす。それからタブレットを開いて加工付きのカメラアプリにログインする。
そこで私は、加工付きではあるが家に帰ってから初めて自分の顔を見る。
私は配信用の顔に急いで仕立て上げる。加工付きのカメラアプリで何度も顔を確認しながら。メイクを終えると、服を着替えていざ配信。
リスナーのみんなは私のこの顔が加工なしのノーマルカメラだと思いこんでくれている。まぁバレるわけないけど。
『コメントありがとう〜!』
ゲームの休憩中、コメントをだらだら読むことにした。可愛い、好き、メイク上手い、そんなコメントを見てはニヤついて。でもひとつ気になるコメントが来た。
『メイクどこでしますか?』
鏡は使わない。そう答えると、コメントを流れる速度が1.5倍くらいになった。
鏡は見たくない。なぜなら、鏡は自分の顔を悪くした【偽物】が映るからだ。なんと言われようがそうしか答えようがなかった。その【偽物】を見るのが怖くて怖くて。私は一生鏡を見ないと決めた。
仕事場の御手洗の手を洗うところでは下を向いているし、窓とかにもその【偽物】が映るから極力周りを見渡さないようにしている。メイクも、加工アプリを通して鏡にならないようにしているし。それから…。
『洗面所の鏡はガムテープでぐるぐる巻きだし。』
さっきまであんなに早かったコメントがほんの数秒止んだ。
【偽物】が、私の前に現れるようになったのは
親が私をブスだと言った日からだった。鏡には顔が歪んだブスが。みんなで撮ったノーマルの集合写真には目が豆みたいになったブスが私の顔に映り込んできた。
私は金輪際こいつと会いたくないと決めて、集合写真の日はマスクをして、眼鏡をかけて。
友達と撮るときは加工アプリで加工をつけてから撮った。
それでも家に帰って鏡を見るとブスがいる。もう見たくないと思った私はホームセンターまで夢中で走ってガムテープを買い、【偽物】とおさらばするためにぐるぐる巻にした。それからというもの、【偽物】を見る回数は減った。
でも、私の本当の顔を見る機会も減った。そして表情を作るのが苦手になり、メイクも相手から見て変だと言われることが増えた。
配信画面は加工をつけて着るから不自然に思われないけれど、みんなの目にはきっとまだ【偽物】が写っているのだろうと考えて、その時いた彼氏の顔をガムテープでぐるぐる巻きにした。彼は泣いて叫んでいたが、口まで塞ぎきった時、心臓が動いていなかった。
私には画面の向こうにみんながいるから。
今もなお安らかに生きている。臭くなり虫が湧いた彼の隣で。
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もっと上手くまとめられたらなぁと思いつつも
だいぶん疲れたのでこれで完成にしておきます。
ただいまと言いなさいと言い聞かされていたっていうのも、親の言うことが絶対だという伏線…というか、
例になるようにしてみました。
もっとわかりやすい方が良かったかもしれません。笑
親にブスと言われたぼくは鏡が見るの怖くなって、
もし少し違った道を歩むとこうなっていたのかなぁと
恐怖を感じたり。(僕は女です)
もう少しインパクトが欲しかったんですけど、ガムテぐるぐる巻きがいちばんシュールかなと思いまして。笑
ここまで見てくださった方ありがとうございます。
本当に僕の趣味なので、ご趣向に合わなかったらすみません。