同じ空の下なのにその日のあなたの夜空には月が隠れているのを知ったとき。
季節の花を朝の道で同じ日に見つけられないとき。
お揃いのマグカップをただ見つめるしかできないとき。
風邪を引いたのに私は元気なとき。
通話越しの楽しそうな声を聞くのが続いたとき。
私は、この距離を愛しく思えなかったのです。
「遠距離」 (※自己お題)
手を繋いでみた先の"景色"はどんなものが広がっているのだろう。
そう思い、私はあなたとお付き合いを始めました。
するとどうでしょう。
景色よりも隣のあなたのコロコロ変わる表情のほうが魅力的で、
景色よりもあなたの唇から発せられる自分では思い付かない言葉たちのほうがはるかに鮮やかで、
今目の前にどんな景色が広がっているのか私は全く気にする余裕がないのです。
あなたとならどんな景色が広がっているのだろうと思っていたのに、私はただ繋いでいるだけの手を離せなくなったのです。
直接的で、ちっぽけで、単純で、柔らかくて、世界でただ1つの温もりが目の前に広がる景色を見せてくれないなんて、思っていなかったのです。
でもこれが、手を繋いでみた先の"未来"の景色だったのだと
あなたの横顔をみて思うのです。
「手を繋いで」
ああ、私がその悪夢を乗っ取れたらいいのに。
塗りつぶして塗りつぶして、めちゃめちゃにして
ふふ、もうなぁんにも怖くないねって笑って
あなたの目玉を潰してあげる。
君を助けるために
私自身が悪夢になってあげれたらいいのにね。
「叶わぬ夢」
こちらを振り返りもしない後ろ姿がどんどん小さくなっていく。
そうか、私もあなたも一緒にいる役目を終えたのね。
それなら心置きなく、さようならを言えるわ。
花の香りと共にあなたの後ろ姿を見送る私は
きっと今までで一番晴れやかな私でしょう。
「花の香りと共に」
「それは悲しかったね」と言ってくれたらそれでいいのに。
私が好きになった君は、その一言を言えない。
いつのまにか理想の君を探してる私がいる。
「君を探して」