ベルの音
リンリンリン
ベルの音が聞こえると思わず窓の外を見ちゃう
だって、サンタクロースがトナカイに乗って来る音だから
「碧(あお)、まだ昼間だからサンタさんは来ないわよ」
ママはくすくす笑いながらそう言うが、そんなのは信じられない
だって、全世界の子供達に1人でプレゼントを配っているんだもん
ピンポーン!
インターフォンが鳴り、ママがモニターのボタンを押すと「宅配です」と言う若い男性の声が聞こえた
(サンタさん、いつ来るんだろ…)
窓から空を見上げてそんな事を思っていると、玄関からママが僕を呼ぶ声が聞こえた
なんだろうと玄関に向かうとそこにはダンボール箱を持ったサンタクロースがいた
「サンタさんだ!!」
「Merry Christmas!
1年、いい子にしていた碧くんにサンタからのプレゼントだよ」
ニコッと笑ったサンタさんは持っていたダンボール箱を僕にくれた
「サンタさん、ありがとー!!」
僕は嬉しくてしかたなかった
冬は一緒に とりとめもない話
冬は炬燵に入りながらみかんを食べるのが好き
さらに彼もそこにいてくれるのがもっと好き
「今日は仕事でね」
みかんを食べながらとりとめもない話をする
それが私の癒しの時間
心と心
心と心が繋がる瞬間があるとよく言うけど、その瞬間ってどんな時なんだろう?
そもそも心って概念で繋がるってなんだろう?
そんな取り留めもないことを考える午前2時
今夜もきっと眠れずに朝を迎えそうだ
何でもないフリ
急な目眩に壁に寄りかかり、目を瞑る
「まただ…」
ここ3ヶ月ほど急な目眩と耳鳴りに悩まされていた
仕事の繁忙期で休んでる暇なんてないから受診せずに放置していた
「主任、大丈夫ですか?」
「大丈夫、何でもない」
部下から心配そうに声をかけられ、笑顔で返す
「そうですか?」とまだ心配顔の部下に「ありがとう」と伝え、一緒に部署まで歩く
繁忙期さえ終われば、よく寝れば、なんて楽観視していた当時を悔やむが後の祭りである
「部下の為でも何でもないフリはするべきじゃないわね」
病院のベッドの上でそんな事を呟く
仲間
高校の友達は一生の友達とはよく言うが、私にとって高校の友達は仲間だ
クラスは違えど同じ事を勉強し、お互いの意見を言い合い高めあった仲間
今はそれぞれ別の道を歩んでいるが、時々 予定を合わせて遊ぶ
そこで愚痴を言い合い、意見を言い合い また自分を成長させる
こうやっていつまでも高めあえる仲間に出逢えて私は幸せだ