このまま平行線で居たい。あちら側とこちら側で、あー生きてるね、で、居たい。
わたしも愛する者たちと歩き、あちらも愛する者たちと歩き、どうか、どちらもポツンになりませんように。
どんどんどんどん間が広がって、見えなくなってもいい。どちらが先に逝ってもいい。もともとそうだから。
これは、なんて言うんだろう。
袖擦り合うも他生の縁
もう袖すら擦り合わないけど。
手を繋いでいては、生活できない。
遊びに行くならいい、
遠足ならいい、
子供ならいい、
ずっとは、ない。
仲良しの証でも、ない。
手を繋ぎたいな…って、
気持ちと気持ちでいたい。
その手を、握ったら握り返してくれるだろうから、たまに、ふとした瞬間に、指に、指で触れてみる。
イソギンチャクに捕らわれるみたいに、掴まれたい。わたしの爪はみっともないくらい短くて丸いんだ。
心の端っこにピン止めしてあるWANTED。風にヒラヒラ廃れて汚れて破れて輪郭無し。もお時効で逃げ切っただろう。何をしたヤツだったか…、分からなくなった。
捕まえる事が目的ではない。曲がり角に背中預けて、…かもしれない…かもしれないかもしれない…かもしれないかもしれないかも、しれない… だったかもしれない…そうだったかもしれない…ちがうかもしれない…
それは、まるでハートが飛ぶ気持ち。
結局、ここにも自分しか居ない。
それでいい、それがいい。
電車は嫌いだ。いろんな声が頭の中に入ってくる。前の女、となりの男をウザっと思ってる。窓際の男、女子高生のツムジ見ながらイヤらしい事考えてる。このままわたしが視線を送り続けたら向こうは気づいてこう思う。『見んな!ブス!』
あぁ嫌だ。
隣の女も自分が誰かに見られている事を意識してチラチラ周りを窺ってる。化粧もネイルも意識してる。聴こえてくる。声が文字となってこちらに押し寄せてくる。怖い。みんないつでも逃げ出せるように構えてる。電車で居眠りするな。みんな透明だって気づいてないのか。
わたしが、気づかなくても誰かが気づくことがある。誰かが見えなくても、わたしには見える事もある。星の、全てを知らない。星に、どんな名前が付けられているかも知らない。