お気に入り
夜のような紺色のワンピース
金色フレームの眼鏡
同じ色のハンドバッグ
お気に入りのセットアップに身を包み
お気に入りのレストランへ
そんな休日の使い方が私のお気に入り
誰よりも
かわいそうだなぁ
誰よりも勇敢だったあの勇者様が
私のような雑魚な中ボスに負けるだなんてねぇ
だがな、私は誰よりもお前のことを知っておるのだ
敵の情報を知っていれば私のようなものでも勝てるのだよ
勇者であるお前は
誰よりも必要とされていたなぁ
誰よりも優しかったそうだなぁ
誰よりも愛されておったなぁ
あの魔王様でさえお前のことを恐れていたのだよ
誰よりも強いお前を倒した私は
誰よりも強い、そう思うであろう?
10年後の私から届いた手紙
こんにちはかな?こんばんはかな?
君に…10年前の私に伝えたいことがあるの
これなんだっけ…あぁ、タイムカプセル?
これに書いてあることなんだけどさ
無茶すぎない?無謀すぎない?
まず、学校の先生で俳優で絵本作家になりたい?
学校の先生はね兼業できないのよ、小6でもわかるわ!
あとさ、私の画力舐めんなよ?
ねこかいてうさぎと言われた女ぞ?
極めつけは俳優よ…学校の発表会、何やったよ?
木でしょ、魚でしょ、人間の役でも通行人だったじゃん
今、親がこれ見て大爆笑よ
とりあえずね〜、夢見ることはいいけど!
せめて1つに絞りなさいよね!
これが数分前に届いた…
良かった、パン屋とか映画監督とか書くとこだったわ
バレンタイン
この時期の楽しみといえば!
恋人いる奴らのバレンタイン惚気に決まっとるわな!
「彼氏のためにブラウニー作ったの〜」
「チョコ買ったんだけど俺から渡すのって変かな」
「あいつチョコ好きらしいからあげるだけだし」
「私の恋人可愛すぎるんだが〜!」
人の惚気を聞いて食べるチョコがいっちゃんうまい
まったく、ビターなのにミルクの味がしてくるぜ
待ってて
待ってる…ずっと待ってる、あの子のこと
放課後靴箱で待っててって一緒に帰ろうねって言われて
はあ、なんでこう私は都合のいい女なんだろうか
泣いちゃうね、自分で言っててメンタルにくる…
でも、人からの待ってては絶対守らないといけない
そんな気がしてならない…
だから、待ってる
あの子の待ってて、あの人の待ってて、
どんな待っててでも…ね