秘密の手紙
ではぁ次に鎌倉時代のぉ〜
読み聞かせのようなトーンで進む授業
夢に何度も踏みかけるが意識はある
隣から紙が飛ばされてきた
開くと隣の隣のまきちゃんから
「 先生の話し方面白くね? 」
確かに、先生は「わぁ〜」とか「のぉ〜」とか
伸ばした話し方をする
すると、次は後ろから手紙が
開いてみたが宛先がない
「 まきたん、今日もだいちゅきよ☆ 」
まきちゃん?へ?え?これもしかして
みたら、駄目だったのでは!?
っというわけで私は何事もなかったように
まきちゃんに手紙を渡しましたとさ
贈り物の中身
貴方、いつも贈り物花束よね…
だめだったかな?
そんなことないわ!
ただ、貴方が他の物を選ぶとき
何を選んでくれるのかしらと思って
そう…
じゃあ次は花以外にしてみようかな
そ、そんな大変でしょ!?
けど、楽しみにしておくわ
来週あなたの誕生日会に渡しましょうか
それまで楽しみにしておいてくださいよ
凍てつく星空
水平線を作る湖に転写された星空は
どんどんじわじわ凍っていく
湖の水が氷になるだけなのに
湖は星空ごと封じ込めた
あなたと私の目の前には
凍てつく星空が出来上がっていた
君と絆ぐ物語
消えたいなんて言わないで
君の辛さを僕が直接わかることはないかも知れない
だけど、考えてほしいんだ
君がいなければ僕はどうなっていただろう
僕は君にたくさん助けられてきたよね
君がいなければ何が起こり、何が起こらないのか
考える日があっても
誰か苦しんだのか、誰かは徳をしたのか
そんな嫌な妄想が頭にこびりついたとしても
今ここには、 "君に" 助けられた僕がいるよ
君のいなかった僕は
きっと、こんな僕じゃなかったよ
だから、僕は今君を助けたいと思ってるんだ
だから
消えたいなんて言わないで
僕は君と絆ぎたいんだ
明日を生きる物語を
失われた響き
この村に音楽がなくなってしまった…
この村、カナデ村は音楽の絶えない村として有名だった
渓谷の狭間にできたこの村は音楽の響く楽しい村だった
春には明るく伸びやかな曲が
夏には爽快で熱い曲が
秋には穏やかで色鮮やかな曲が
冬にはゆっくりと暖かい曲が
しかし、今この村から音楽が消えた。
人々は悲しんだ
どんなに音を出しても曲にならない
音は出るのに音楽にならない
響かないし、届かない
次第にこの村の人々は音楽を作ることを諦めてしまった
すると、小鳥のさえずりが聴こえてきた
木々のざわめきが聴こえてきた
それら全ては音色となって村人たちの心を癒した
彼らは自然の音に感謝した
彼らは失われた響きを取り戻すことができたのだ。