秋色
< もう秋やねぇ
『あきいろ』って感じだね! >
< あらぁ、『あきいろ』って呼ばへんのよ
え、ほんとに? >
< 『しゅうしょく』って読むんよ
知らなかったや >
< まぁ、私も最近知ったから
校庭の葉、秋色だね〜 >
ってこと?
< そういうこと
もしも世界が終わるなら
人間なら一度は考えたことがあるだろう
人間はIfが大好きだ、『もしも』で話をつくり
『もしも』で興奮し、『もしも』で嘆く
人間は『もしも』で交流を深めることができるらしい
「もしも世界が終わるなら」これもそれの一つ
終わるのは明日かも、来週かも、来年かもしれない
『もしも』『かも』それで話が進む
世界が終わるなら?そんなの考えたってしょうがない
終わる時は終わる時、そう割り切っておかないと
もしも世界が終わるなら
それは一つの遊びで娯楽だ
『もしも』君が聞かれたら君はなんと答える?
〜靴紐〜
『あの、靴紐解けてますよ』
後ろから声がした
え?あ、ほんとだ
その時目の前には車が走っていた
『よかったですね』
声がした方を向くと男が一人浮いていた
『あ、僕ですか?僕はここの交差点で靴ひもに気づかず』
そこで話すのをやめた
亡くなったのかな
『次は気をつけてくださいね』
そう言って私の後ろについた
え?なんで???
そうして私と靴紐霊との散歩が始まった
「答えは、まだ」
体育大会の片付けを終え、君に呼び出さた体育館裏
君に告白された僕とあわてる君、そんな君は言う
「答えは、まだ教えないで」
疑問に思う僕、静かに去っていく君
答えを教えたらだめ、どうしたらいいのだろう
友人に聞くと言われた
「そんなの卒業式に決まってんだろ」
僕は卒業式まで答えを言わないようにした
そんなこんなで春が来た
君を体育館裏に呼び出した
時間を一時間遅れてきたのは
君が亡くなった話だった
年が2つ増え、久しぶりの体育館裏
答えは、もう教えられない
そんな言葉を飲み込んで
『答えは、まだ教えられないね…』
センチメンタル・ジャーニー
< あぁぁ……
あの女がよぉ…
まぁまぁ >
なんだっけ、浮気?
< あの女おかしいよ
3人と浮気だよ意味分かんね〜
そんなやつもいるんだな >
まぁ、そのための旅行だからね
< ありがとなぁ!
やっぱ持つべきは友だな!
…そうだね >
< お前、酒すすんでねぇな!
さては!明日予定でもあるのか!?
んなわけ無いでしょ >
< そうだよなぁ、そんないわれたら
おれ、ないちゃうよ…
あぁ、かわいい… >
< んぁ?なんかゆったか?
いや、なんにも? >
お酒美味しい?
< あったひまえよぉ!
酔っててよかった >
大好きな俺の『友』だから…ね