風信子

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4/11/2023, 12:44:48 AM





悲しみは
春の花色に溶け入り


愛しき声も今は
遠い記憶に木霊して


色を無くした夢が
遠のいて行く




見知らぬ人の
卸したての呼び掛けに


冬の寒ささえ忘れ
冷えきっていた体が


すうっと息を吹き返す
春爛漫の侯



「春爛漫」

4/9/2023, 9:05:14 PM






誰よりも
愛されて

誰よりも
安らげた

誰よりも
側にいて欲しくて

誰よりも
心開いた


だから


誰よりも
信じるのが怖くて


誰よりも

許せなかった



何もかもが

誰よりも、ずっと


ずっと⋯




「誰よりも、ずっと」

4/7/2023, 9:50:06 AM






真っ直ぐに
レンズの向こうから
私を見据えてた
あの写真


じっと
君の目を見つめると


先の無い未来を憂い
悲しみを帯びた
力無いその瞳から


それでも と


偽りの無い
心の声が聞こえた



「心から愛しています」




そんな君も

今は



通り過ぎた


道端の花





「君の目を見つめると」



4/6/2023, 7:49:21 AM








全てに
YES


だから
こんな世界


どんな色でも
構わないと


黒でも

白でも


何でもありだと


ジャッジはしないと



それでいいと





「それでいい」

4/4/2023, 9:58:41 AM





ゆらと花に手招きされ
寄り道をした


慣れない温かさが
傷口に心地良くて

膝を着いて
その甘い蜜を舐め続けた



そんなには駄目
欲張っては駄目

一つだけよと
手を弾かれ

我を忘れていた
長い時間に気づく



遠い先の景色は
色の無い夢に舞い戻り

時計は逆回りして
世界線を変える



選ばれなかった花は
儚さを知っていて


情けなさそうに
ただ項垂れてた




「1つだけ」

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