風信子

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ゆらと花に手招きされ
寄り道をした


慣れない温かさが
傷口に心地良くて

膝を着いて
その甘い蜜を舐め続けた



そんなには駄目
欲張っては駄目

一つだけよと
手を弾かれ

我を忘れていた
長い時間に気づく



遠い先の景色は
色の無い夢に舞い戻り

時計は逆回りして
世界線を変える



選ばれなかった花は
儚さを知っていて


情けなさそうに
ただ項垂れてた




「1つだけ」

4/4/2023, 9:58:41 AM