言いたかった
言えなかった
苦しくなるたび
ページを開いて
本になるくらい
書き殴った想い
いつか貴方に
ぶちまけたい
きっと
その時
やっと本当に
貴方を
終われるはず
そしてそれが
この
閉ざされた日記の
エンディングになる
「閉ざされた日記」
いつか誰かが
不意に現れて
纏わりつくこの
辛い記憶の数々を
木枯らしみたいに
吹き飛ばしてくれるかな
そして
葉の落ちた木のように
裸ん坊になった私は
寒さを凌ぐために
また違う誰かと
泣きながら
笑いながら
一つ
また一つと新しく
青々とした思い出の葉を
身に纏ってゆくのだろう
「木枯らし」
見た瞬間に誰もが
美しい
と思うものよりも
目にもとめず
通り過ぎてしまうような
そんなものの中に
ひっそりと
鎮座している
隠れた美しさを見出す
星の数ほどの
砂粒の中に
キラリと光る
自分だけの宝石
誰が何て言おうと
私にとっては
美しく煌めくダイヤモンド
そんな風に
好きになる
「美しい」
その時々
起きる出来事によって
見る目というものは変わる
この世界は
貴方には今
どう映っているだろう
神などいないと
世を恨んでみたりしても
たった一つの出来事で
生きていてよかったと
この世は素晴らしいと
心の中で手のひら返し
皆
自分だけの世界を生きている
貴方の世界は
貴方だけのもの
「この世界は」
どうして?
だってそうだから
私にはそうだから
誰かの当たり前が
他の誰かの
当たり前じゃない
だって
違うから
そう
ただ
「違う」だけ
良い悪いじゃなくて
悪には悪が正義
悪にとってはそれが
紛れもなく正しい事で
おかしい事だなんて
微塵も思っちゃいない
光を必要とするもの
暗闇でしか生きられないもの
ただ
違うだけ
「どうして」