証拠も保険も
保証も無い
形の無い
不確かな契約を結び
説明のつかない感情に
「愛」という名をつけて
いつか覚めるであろう
夢を見ている
微妙な信頼関係で
結ばれているだけの
危うい関係
法律でさえ
縛る事は出来ない
自由にうつろう
人の心
「形の無いもの」
ジャングルジム
どうやって遊ぶのか
分からなかった遊具
友達より少し小さい体で
恐る恐るよじ登ったのは
途中まで
手が痛くて
いじめっ子が嫌いで
好きな子がいて
何十年も昔の
おかっぱ頭で緊張した女の子が
ボヤけた写真の中で生きてる
「ジャングルジム」
私を呼ぶ声
君だけが使う渾名
本当に大好きで・・・
今も微かに耳に残るよ
でも
分かってる
知ってる
時の流れに乗って
少しずつ遠ざかり
いつか
聞こえなくなる
「声が聞こえる」
線香花火のように
パッと花開き
刹那の夢を見せて
儚く散り落ちた
夏恋
もし
秋風の吹く頃に
出会っていたのなら
雪の降る頃には
冷えた体を温め合い
桜咲く頃には
ポケットの中で手を繋ぎ歩き
花火の頃には
来年もまた二人で観ようと
光乱舞する空を見上げ
いつまでも一緒だと
ずっと離れる事は無いと
終わる事の無い愛を
誓っていただろうか
「秋恋」
大切だったから・・・
ありったけの愛を
優しさを
全てを捧げて
残ったのは
疲れ切って
ボロボロになって
乾き切った自分
本当に
大事にしたいのは
しなければいけなかったのは
泣く力さえ失っていた
自分の心だった
「大事にしたい」