皮肉めいた会話を
ひらりとかわす
話術がほしい。
まともに受けて
気分を害するのは
いつものことだ。
後にも先にも残らせない
その場で終了できる
あなたを
私は尊敬する。
#685
誰かしら?
あの人…
どっかで見たことあるんだけど…
ご近所? 違う
ママ友? 違う
お店の店員かしら…
その方のお顔に
いろんな制服を合わせてみる。
スーパーの制服
コンビニの制服
銀行の制服
看護師の服
それとも白衣…
あ
思い出した
薬局の薬剤師の方だ。
もやもやがスッキリし
やっと他のことに集中できる。
#675
芽吹きのとき
寒い寒い真冬に
土の中で
じ~としている。
側には小さな微生物達。
奥底にはミミズも
長い眠りについている。
春はまだかな
暖かい音はまだだね。
微生物達がささやき合っている。
土の表面がじんわりと
湿り気が感じる頃
冬の終わりとなる。
微生物達が顔を出してきた。
春だ 春がやって来たよ。
啓蟄の時期が過ぎ
ミミズが目を覚ました。
どうやら春が来たようだよ。
そろそろ起き上がっても良さそうだよ
ミミズが声をかけてきた。
微生物達は既に活動し始めていた。
さぁ僕も太陽の光をいっぱい浴びるぞ
タンポポ レンギョウ ミモザの
芽が一斉に吹き出しました。
芽吹きのときが今始まります。
#672
あの日の温もり
お家で鍋をするのは
もちろん温まって美味しいが
学生時代にみんなで食べた鍋が
格別に美味しかった。
上京したてのメンバーで集まり
同級生のマンションの1室で
ガヤガヤと食べた。
具材は何だったか忘れたが
栄養科に通う1人が
〆に白だしで味を整え
といた卵を回し入れた。
うまい、美味しい さすがだと
褒めては何度もおかわりをした。
お腹もいっぱいになり
身体も温まり、暖房を止め
窓を開けた。
東京の夜景を見ながら
少し寂しいような
でもみんながいるから
安心するような。
交差していた
あの日の温もりが
懐かしくもあり
とても切ない
美味しかった鍋の思い出。
#665
庭の花木を摘み取って
ひとつ花瓶にさす。
どんな花でも一輪挿しにしてみると
おしゃれにみえるから嬉しい。
おしゃれ雑誌の一編に
スポットライトが当たった
可憐な花のよう。
これから暖かくなると
花の種類も増えてくる。
花瓶に挿す花も
賑やかになることだろう。
#659