かきくけ子

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11/21/2024, 7:22:28 AM

幼かった頃
緑の小箱に入ったブローチが
私の宝物だった。

淡いピンク色のブローチ。
バブーシュカを被る女の子の絵柄が可愛かった。
周りには銀色に光るものが縁取られ、自分はそれがダイヤモンドだと思っていた。

絵の部分は少し浮き出てて、
触ると冷たいのに何故か指にフィットして気持ち良く、
反対に周りはゴツゴツして、まるで女の子を守るイバラのようだった。

誰からもらったのか。
きっと母親からだろう。
箱から取り出しては眺め、
またしまう。
その眺めている瞬間が
たまらなく好きだった。
絵の中の女の子は私で、
昭和チックな妄想に時間を膨らませていた。

今はもうない。
捨てたのか。
私の幼心もどこかに捨ててしまったのかな。

11/18/2024, 1:31:05 PM

たくさんの思い出

これだけ長く生きてきたら
たくさんの思い出
そりゃあいっぱいありますよ。

映画インサイドヘッドに出てる
「思い出ボール」を思い出す。
始めての体験や記憶がボールとなって脳の中で収納されるやつ。

もちろん私の脳には思い出ボールが
数億個入っているだろう。
ちゃんと整理整頓されているかしら。

「そう…あれなんだっけ…
          あれよあれ」

時々モノが思い出せなくなっている。
私の思い出ボールはきっと床に
ゴロゴロ転がってるかもしれない。
片付けなくちゃ。
そしたら記憶力良くなるかしら。

11/17/2024, 11:54:29 AM


ここ南国にも秋が来ている。
窓を開けて寝ていると、季節の気配が直に感じられる。
このところ明け方はかなり涼しくなっている。

肩が寒い。
半ズボンから出た足が寒い。

蹴って身体から離れたタオルケットを手探りでつかみ、体に巻き付ける。この時間だけは毛布が肌恋しくなる。
記録的な暑さが続いた夏。乗りきった猛暑が一段落し涼しくなると、体がホッとして力抜けてしまう。
毛布を身体に巻き付けた
この瞬間を味わう。
また、冬になったら
寒さで力が入るのだから。
北風の強い夜が私は寂しい。

11/17/2024, 3:10:00 AM

「母を尋ねて三千里」が好きだ。

出稼ぎに行った母を探しに遠い国まで旅する話。
日本でいうと、遠いブラジルへ小学生の男の子が旅するって感じかな。
アメデオ(猿)を肩に乗せ、風立つ草原に佇むマルコは哀愁に満ち、なんとも大人びた顔をしている。

何故お父さんが家にいてお母さんが出稼ぎに出たのか。
そんな遠くへ出稼ぎいくくらい家計が苦しかったのか。
遠くへ行けば行くほど稼げるのか
と、幼心に思ったものだ。

お母さんと再会できたシーンは
フランダースの犬の次に泣けた。
また観たいな。




11/14/2024, 1:53:09 PM

ここ南国でも秋風は吹く。
暑苦しい夏がバタッといなくなる。

もうすぐ冬がやってくるよ。

そう言って私の肌の湿気を
さらっていく。
秋風はとてもスマートだ。
期待を持たせては時に裏切る。
爽やかで昔風に言うニヒルなやつ。

私は冬の前座だよ。

控え目なところもなおいい。
前座と言わず、
一年の主役になってよ。
私は秋風が好きだ。

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