まだ知らない君
まだ知らないあなた
はじめまして
かきくけ子と申します。
会えるのはあと何日後
いや、何年後かもしれない。
ひとの縁はわからないもので
どこで繋がるか
それとも行き違いで
近くにいるのに
一生繋がらないかもしれない。
だから
私は出会った縁は
大切に繋げていきたい。
#558 まだ知らない君
あっくんはおもちゃを
壊してしまいました。
どうしよう
ショーケースの中にある
ヒーローマンの人形の腕が
床に転がっています。
お兄ちゃんがとても大事にしている
お人形です。
触るなって言われてたけど
かっこよくて
眺めているだけでは
がまんできず
あっくんはショーケースの扉を
開けてしまいました。
ヒーローマンを右手に持ち上げ
ヒーローマンと同じ
ポーズをしました。
腕高く上がったヒーローマンの腕が
本棚の角に当たったのです。
どうしよう
慌てて元に戻そうと
ショーケースに入れました。
腕は足元に置いたまま。
お兄ちゃんは夜には帰ってきます。
どうしよう
お母さんにも話していません。
お兄ちゃんの怒った顔を
想像してしまい
夕飯のハンバーグも
残してしまいました。
布団の中であっくんは思いました。
ごめんなさいって言おう
謝るしかないことを
あっくんは知っています。
小さな勇気を
ヒーローマンは待っています。
…続く
#548 小さな勇気
わぁ!
けん君、自分でズボンはいたね
あかねちゃん、残さずごはん食べたね
がんばったね!
子供はほめてほめてほめるもの。
ほめられた分だけ
ほめマークが貯まる。
貯まった分で
人格が形成されていく。
でも、怒られたり無視されたら
ほめマークが減ってしまう。
どんどん減って
最後はに無になって
側にいるのに存在が
なくなってしまう。
僕はここにいるのに
見つけてよ。
ほめてあげて
ほめてあげて
無になってはいけない。
#543 わぁ!
終わらない物語
人生半世紀も過ぎ
人として一通りのことはやってきた。
これから余生をどう過ごそうかと
考える時期に入る…
のが通常だと想う。
ところが私は想うところがあって
この歳で
国家資格を取り
新境地へと足を踏み込んだ。
逆風にかがむ体勢で一歩
そのまた一歩と進んでいる。
知らないことだらけだ。
私の人生物語は
まだ終わらない。
#535 終わらない物語
私は嘘をついたら
顔にでる。
相手の反応を
ちらちら見る。
やさしい嘘でも
嘘には変わりないから。
#522 やさしい嘘