私の始まりはいつも
納豆と目玉焼き。
娘の始まりはいつも
納豆と蒸したブロッコリー。
目玉焼きとブロッコリーを
一緒にフライパンで蒸す。
旦那は食べないで家を出る。
「いっていらっしゃい」
できる限り玄関で声掛けをする。
息子はまだ起きない。
我が家のいつもの朝。
猛暑が過ぎ、明け方はやっと秋らしい
空気が漂い始めた。
毎朝、ゴミ出しのため裏庭に行くが
庭の樹木のすき間からの
太陽が見えかくれする。
夏の激しい光線ではなく、
今は柔らかな光が頬に
当たっている。
「日焼け止め塗ってないなぁ」
「秋だからもう大丈夫かな」
大丈夫なはずはないのに。
まっいいか。
今日もズボラな私。
午後八時。夏祭りの花火が上がった。
市民公園が近所なので
花火は家から観ることができる。
小さい時から馴染みのある花火なので急にテンションが上がことはないが、
平和だなぁって感じてしまう。
ドーン ドーン
振動が耳からそして
身体中に広がっていく。
花火の音はかなりの爆音だ。
戦争をしているよその国では
同じ音でも人を傷つける砲撃音に変わってしまう。
花火よ、もっともっと高く上がって、
ミサイルが飛んでいる空に見えるよう花を咲かせて。
「放課後の校庭で走る君を見た」♪
この曲を聴くと
陸上部だった友達を思い出す。
彼女のお気に入りの曲。彼女とは高校3年間同じクラスだったが、
距離が近くなることはなかった。
一緒につるんだグループの一人で、誕生日も数日違いで共通点は多かったはずだが。
美人でスタイルもよく社交的な子だったから、無意識に気を遣ってたかもしれない。
「校庭で走ってるのは私なの」
そう言って彼女は教室の窓にもたれて笑っていた。あの教室。あの校庭。あの時の制服。楽しかった訳でも辛かった訳でもない、ただの高校生活の日常の思い出。
躍りにいきたいな。
夜の街へ。
躍りにいきたいな。
あの曲で。
1人思いでの曲に浸って
ミラーボールの下で、目をつぶって
無心になって踊りたいな。
文字通り心踊る空間。
大好きな私の空間の一つ。
現実はベランダで洗濯物を干してる私です。