どんな出会いにもきっと、人生においてなにかの意味がある。ひたむきで真っ直ぐに生きるあなたと出会って、わたしの色褪せた毎日は自らの意志を持ったように色付いたけれど、それと同時に自分という器の中に何も入っていないということ、その不甲斐なさを痛感した。嘘はつかないと言いながら嘘をつくあなたと出会って、どんなことにも絶対なんてことはなくて、信頼とか約束とかそういうものはいとも簡単に壊れてしまうものだと分かった。何事も純粋に信じて居られたらそれは一見幸せなのだろうが、裏切られたときに受ける傷の深さを想像すると、羨ましいとは思えない。人は人に出会って、良くも悪くもお互いに影響し合い生きていく。
#22 巡り逢い
それは不確かで、曖昧で、都合のいいものだから。できるだけ正確に、鮮明に、繊細に、声も匂いも感覚までも、何もかも全部覚えておきたくて。
#21 記憶
あなたを待っている時間に花屋を見つけた。喜ぶ顔がみたくて、柄にもなく花を買った。わたしが好きなピンク色のばら。大好きなあなたにあげたいと思った。
#20 一輪の花
あなたが持ってる幸せはわたしには無いもので、
私が持ってる幸せはきっとあなたには持てない。
#19 幸せとは
電車に乗り顔を上げると、隅に身体の半分くらい大きな花束を抱えた小柄なおばあちゃんが座っている。秋晴れの今日、車内には暖かな光が差し込み、グレーヘアがよりいっそう綺麗に見えた。隣に座る若い女性がブラインドを下げても、おばあちゃんは正面の窓から目を逸らさない。時々花束に視線を落としては、納得するように何度か頷く。よく見ると手をぎゅっと握り締めて、膝の上に置いている。ふとこのアプリの存在を思い出し開いてみると、お題は夫婦だった。そういえば昨日はいい夫婦の日だ。花束は誰に、渡すのだろうか。おばあちゃんにとって今日が温かい一日になるように、たまたま電車に居合わせただけの私はそう願う。
#18 夫婦