まばゆい太陽のした
僕たちはいっせいに走り出す
なぜこの炎天下の中走らないといけないんだ
まぁいいけど
今年こそ1位取ってやる
あいつには絶対負けない!
去年はあいつに負けてすっっっごく悔しかったんだからな
中学校の時は6キロも走れなかったけど高校になって体力も着いた
1年生の時は8キロ走りきれた
去年は3位だった
いやこう考えると僕成長すごくない?
サッカー部に入ってるからかな
うわっはじまった
ひらひらひらと落ちていく
赤、黄、緑の葉っぱたち
木枯らしが吹く11月
もうすぐ今年も終わりだな
これから何をしようかな
クリスマスにお正月……
あ、もうそろそろお兄ちゃんが帰ってくる
二人の子どもとお嫁さんを連れて
上の子はそろそろ2歳かな
下の子は初めましてだ
久しぶりにお兄ちゃんに会えると思うとうれしい
期末テストも頑張るか
1位をとって自慢してやる!
昔はたっくさん喧嘩もした。
別れようと思ったこともあった。
子供が生まれ長い長い年月を過ごす度に少しづつ少しづつ歯車が噛み合ってきた。
いまはあなたでよかったと心から思っているよ。
今まで一緒に歩いてきてくれてありがとう。
これからも末長くよろしくね。
「どうすればいいの?」
「なにを?」
「これ」
そう言って差し出されたものは僕があげた誕生日プレゼントだ。
「どうもしなくていいよ」
「そうなんだ」
「でもなんで?」
「はじめてもらったから……プレゼントって」
この子は親とは仲はいいが忙しくてなかなか会えないらしい
確かにはじめてプレゼントを貰ったらびっくりするよな
「これから毎年あげるよ」
「ありがとう」
……
そんな話をしたのが14年前
今はもう僕たちもおじさんだ
あれから毎年僕はプレゼントをあの子に……
4年前に失踪したあの子の子どもにあげている
(なぜ失踪したのだろう)
(僕には何ができたのだろうか)
(どうしたらよかったのだろう)
と、今でも考えてしまう。
「ねえ、僕はどうすればいいの?」
あの子が戻ってくることを願ってあの子の子どもにあげるプレゼントを考える。今年も僕はあの子の家族とクリスマスを過ごす。来年はあの子に会える気がしてる。どこで何をしていたのか問い詰めなくちゃな。僕も話したいことが沢山ある。
私の宝物ってなんだろう……
これまで欲しいものはほとんど手に入った
友達、服、コスメ、恋人。
バイトを沢山してお金を沢山ためて高校ではみんなと沢山遊んだ。でも、何か足りない。確かに今はとても楽しい、だけど、何か、何かが足りないと思うのはなぜなのだろう。これからの長い人生の中で見つけられるかな。
……そんなことを考えながら今日も面接に向かう。今日こそ面接受かるぞ〜!