今度頑張るからと、成績表を前に言い訳する私に、今度とお化けは見た事がないと母は言った。そんな母も、私が何かをねだると、また今度ねと、いつも言った。けれどもやっぱり今度は来なかった。今度は来ない可能性大の言葉と私の脳裏に刻まれた。
　しかし明日はやって来る。頑張っていてもいなくてもやってくる。皆に平等に。
　空に行ってしまった母には、今度も明日もやって来ない。今、この空にいるだけ。でも今この空にいる筈。

ただひとりの君へ
ひとりぼっちの君へ
人はひとりで生まれて　　　　　　　　ひとりで死んでいくんだって　　　　　　　　　　
なあんだ、皆ひとりだったんだ
ただひとりだけの君へ
万歳

　手のひらの中にあるものは、私の幸せ。何にも見えない？あなたはサンタクロースを信じていないの？サンタクロースは、子どもの頃には見えなかったけれど、確かに存在していた。そしてクリスマスを待つ心持ちは、幾ら歳を重ねても何だか楽しみの一つ。幸せなんて遠い宇宙の向こうの事？いいえ、私達は宇宙の中にいます。幸せもこの手のひらの中にあるのです。触ってみて、冬だって暖かい。指先は冷たくても、手のひらは暖かい。そこには宇宙のエネルギーが溢れているのです。