もう十五年ほどになる。
仕事か付き合いか、なにかの成り行きで入り込み、漫然と生活するうちにもう十五年ほどになる。
橋の上から見る夕日も数分後には落ちること。
明日の早朝に巣の中の小鳥が鳴くことを知っている。
慣れの怖さ、それは後にやってくるものでなく、中途に存在していること。気が付かなければその後に繋がり、意識しなければ事故に繋がる。
年月に轢かれ続けていることを知っている。もう十五年ほどになる。
レールを外して、敷きなおすこと。レールを外して、進行を妨げること。どちらも事故に繋がることを知っている。
【旅路の果てに】
言いかけるくらいなら 最初から明かさないでいて
普段のあなたの伝えかた 口振りがまったく違うもの
筆記体にまかせてしまうなら 普段の声色に込めて
ことばに詰まるくらい本気なら
わたしから抱きしめてあげるから
【I LOVE...】
つらら
ぽと
ぽた
溶けてゆくよう
強さ
弱さから
生まれる温度
突き刺さった痛いところに
傷痕のこり情けを想う
時間おいて
含む白湯
繋いでゆけと骨沁みる
【優しさ】
延々 よるのさかいめ
雲隠れラジオの放送局
よいこのみなさんこんばんわ
眠れぬ過去をお過ごしでしょうか
何事も背をまるめれば
ほしぞらは遠くで無限にまたたき
暮らしは常日頃と綴るでしょうか
真摯に明日をお迎えいただき
謙虚なお便りご自愛ください
深々 よるのふれこみ
午前0時をお知らせします
【ミッドナイト】
きいてほしいな うまく話せなくても
気にかけてほしいの ふだん離れていても
わがままは承知のうえで
ぬくもりがほしいな いっときだけでも
泣いてみたいの ひとりきりにさせて
めんどうなのは承知のうえで
だって一生追い求めて
一瞬毎に振りまわされるの
最低限度が保障されても 帰りの道で刺されて死ぬかも
そういった類いでもないけれど
うまく言えないや
察してくれる?
つまりは察してほしいの
天秤に載ることのない 常に不安定な心の内を
【安心と不安】