長文になりますが、
お付き合いいただければ幸いです。
著 笹本祐一
妖精作戦シリーズ 全4巻
かつて谷川流が
かつて有川ひろが
かつて秋山瑞人が
かつて小川一水が
心を熱くした小説
私も高校生の時に読んで、夢中になった
何度も読んだ10代
20代の時にも読んだ
その後は読み返すことは稀だけど
決して手放さない、大好きで大切な小説
この小説の読者は
おそらく天文学的数字になるだろう
なぜなら、
初版は1984年
10年後の1994年に新装版として
さらに、初版から27年後
2011年に復刊された
私は田舎の高校生で、
新宿や国立は地図でしか知らないし、
バイクを整備したり、
英語で話しかけたり、
そんなことは全くできない、
平凡な女子高校生だった
でも
彼ら彼女らの世界に引き込まれた
セリフが声になり
アクションが目に浮かんだ
そんな、私の、
過ぎた日を思う
#過ぎた日を思う
ここが宇宙ならよかった
あなた と わたし
何光年も離れていても
見えない糸でつながれて
ひとつの星座になりたかった
#星座
「踊りませんか?」
老舗テーラーを着こなして
柔和な笑顔
差し出された綺麗な指先
「結構よ!」
違う
私がほしかったのは
こんな、
こんな、
不慣れな幼女に親切な紳士じゃない
私は大人になったのに
悔しくてぎゅっとドレスをつかんでしまう
#踊りませんか?
つきあって2年目のクリスマス
コースのデザートを食べながら
彼がふっと視線を逸らして
「そろそろ、ご両親に挨拶しようか」
あ
「…うん、予定確認して、LINEするね」
安堵して破顔する彼に
私は上手に笑えただろうか
5年、5年間、待っている「彼」
今、私の眼の前にいるのは、
「彼」じゃないけど
私を望んでくれる人
彼のおかわりのコーヒーに
白い砂糖がさらさらと流れるのを
じっと見つめる
今度、会えたら
巡り会うことができたら
絶対「彼」と一緒に行く
「彼」と巡り会えたら
#巡り会えたら
青空が暗闇に変わる、
ほんの短い紅の時間
誰そ彼れ時
あなたはだあれ?
わたしはここよ
暗闇が青空に変わる、
ほんの短い茜の時間
彼は誰れ時
きみはだれだ?
おれはここだ
忘却とは忘れ去ることなり
忘れ得ずして忘却を誓う心の悲しさよ
忘れ得ぬ人とは遠き人を云うなり
人は常に忘れ得ぬ人を忘れよと云う
会えないのなら・・・
会えなくても・・・
生きていれば・・・
生きているのだから!
幽冥の世界に、必死に手を伸ばす
#たそがれ
「君の名は」リスペクトです