言の葉

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10/4/2024, 7:33:26 AM



  つきあって2年目のクリスマス
  コースのデザートを食べながら
  彼がふっと視線を逸らして
  「そろそろ、ご両親に挨拶しようか」
  あ
  「…うん、予定確認して、LINEするね」
  安堵して破顔する彼に
  私は上手に笑えただろうか

  5年、5年間、待っている「彼」
  今、私の眼の前にいるのは、
  「彼」じゃないけど
  私を望んでくれる人
  
  彼のおかわりのコーヒーに
  白い砂糖がさらさらと流れるのを
  じっと見つめる

  今度、会えたら
  巡り会うことができたら
  絶対「彼」と一緒に行く

  「彼」と巡り会えたら



#巡り会えたら

10/2/2024, 2:38:31 PM

   青空が暗闇に変わる、
   ほんの短い紅の時間

   誰そ彼れ時

   あなたはだあれ?
   わたしはここよ

   暗闇が青空に変わる、
   ほんの短い茜の時間

   彼は誰れ時

   きみはだれだ?
   おれはここだ

     忘却とは忘れ去ることなり
     忘れ得ずして忘却を誓う心の悲しさよ
     忘れ得ぬ人とは遠き人を云うなり
     人は常に忘れ得ぬ人を忘れよと云う

    会えないのなら・・・
    会えなくても・・・
    生きていれば・・・
    生きているのだから!

   幽冥の世界に、必死に手を伸ばす



#たそがれ
「君の名は」リスペクトです


   
   

10/1/2024, 4:39:03 AM




     昨日の私の後悔も

     今日の私の後悔へ

     きっと明日も
     私は私のままなんだろう




#きっと明日も

9/26/2024, 9:31:31 AM









北校舎4階、2年1組
窓際、前から3番目


頬杖をついた彼は
なにを見つめていたんだろう




#窓から見える景色

9/24/2024, 3:00:15 PM

     「愛」     

3月31日深夜、卒業以来静かだったクラスLINEが間抜けな音で鳴った。

 東京組は4月1日の始発で出発決定
 見送る人は駅にヨロ!

「明日か…」
スマホでバイトの予定を確認しつつ、
なにか気になる。

3/31 23:30

確か、新幹線に乗り継ぐ最終は、24:01発。 
あたしはコートのポケットにスマホとチャリのカギをつっこんで飛び出した。

   違うかもしれない
   でも
   あいつは
   バカでお調子者で
   さみしいのが嫌いなあいつは
   やるかもしれない

荒い息でチャリを降りて、無人駅のホームに駆け込む。

   いるわけない
   いるわけない
   でも
   でも
   いるかもしれない

ホームに立っているのは、何度も見た横顔。
「こ…この…ばかっ」
ぜーはーぜーはーのあたしがにらむと、
きまり悪そうに視線をそらして
「バレると思わんかった」
ぼそっと言った。

見送りが来る始発まで、
卒業以来の日常をぽつぽつ話した。
あいつは「へぇ」とか「それで?」とか、
いままで通りだった。

あの夜、過ごした時間は、
特別で、でももう終わってしまった時間だ。
ただ、あいつが意図したメッセージ、
あたしが気づいて駅に駆けつけた応え、
はっきりした形はなくても、
愛が、あったんじゃないかなぁ

春が来るたび、思い出す。

#形のないもの

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