〚手ぶくろ〛
「あ、あった。」
公園に落とした手ぶくろをやっと見つけ、安堵の息を漏らす
拾い上げると中からリスがひょっこりと顔を出したため、びっくりして手ぶくろごと落っことしそうになった
リスはガタガタと震えていて寒そうだ
私は少し考えたあと、リスに手ぶくろをあげることに決めた
そっと手ぶくろを置き、公園をあとにした
また新しい手ぶくろをおばあちゃんに編んでもらおう
「変わらないものはないんだよ。」
「過去も変わるの?」
「過去か…過去は変わらないかもな…。
何事も例外はあるからね。」
「じゃあ私の、君が好きって気持ちも例外?」
「……」
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│サンタさんへ
│
│いいプレゼントをおねがいします
│わたしのいえには、えんとつがない
│ので、かべをすりぬけるか、げんか
│んからはいってくるかしてください
│ただ、げんかんはかぎがしまってい
│るので、たぶんかべからすりぬけて
│はいってもらうしかないとおもいま
│す
│サンタさんだからできますよね?
│
│┻┳|―-∩
│┳┻| ヽ
│┻┳| ● |
│┳┻|▼) _ノ
│┻┳| ̄ )
│┳ミ( ̄ /
│┻┳T ̄|
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私が幼稚園の頃に書いたサンタさんへの手紙です
サンタさんに、「今さら家の入り方を教えられても…」とツッコまれそうですね(•‿•)
〚ゆずの香り〛
リンゴ農園を1個のゆずが彷徨っていた
「こんなところで何をしているのですか?」
と聞くと、ゆずは少し困ったように言った
「実はお見合い相手を探しているんです。でもなかなか見つからなくて…」
「なるほど……ゆずとりんごが結婚したなんて話はあまり聞いたことがないですね…」
「そ、そんなんですか。じゃあ僕はどうしたら…」
思い詰めているゆずに、私はアドバイスをしてあげることにした
「あなたと同じ、柑橘系のフルーツとお見合いするのはどうでしょうか。きっと気が合う方が見つかると思いますよ。」
「…なるほど!確かにそうですね。ご助言ありがとうございます。
じゃあ次はみかん農園に行ってみることにします。」
ゆずはペコリと頭を下げ、みかん農園の方へと歩いていった
私はリンゴ栽培の仕事に再び取り掛かった
りんごの香りの中に、かすかなゆずの香りが漂っていた
〚大空〛
ふと窓の外に目をやると、神様が大空から地上に向かって、ラッキーの種とアンラッキーの種を振りまいているのが見えた
この世の中で正しいとされている生き方を普通にできる人
社会に適応できない人
たくさんの人に共感・同情してもらい、適切な支援を受けられる悩みを持っている人
見下されたり、冷たい視線を向けられたりと、誰にも理解されない悩みを持っている人
自分がどんな人間で生まれてこれるかは、神様の気まぐれ次第なんだなと思った