〚冬になったら〛
いたるところに置かれたクリスマスツリー
大量発生するサンタさん
どこからともなく聞こえてくるジングルベルのメロディー
しんしんと降る雪
普段とは少し違うあの独特な雰囲気が好きだ
〚はなればなれ〛
君は遠くに行ってしまうんだね
はなればなれでも、心は繋がってる
だから寂しくなんかないよ
そばにずっといたら、喧嘩したり嫌な部分が見えちゃったりするもんね
たまには距離を置くのも大切
本当の「はなればなれ」にはなりたくないから
〚子猫〛
無垢でピュアで、おまけに可愛い
食べては寝て、ある時は遊んで
とっても羨ましい
―――1年後、ひょんなことから猫に生まれ変わった
念願の猫生活だったが、思ってたのと違う
猫は猫でとても大変
仕事や学校、全てから開放された多幸感を満喫していたのもつかの間、「なにかをする」よりも「なにもしない」ことのほうがつらいのだと気づいた
やっぱり人間に戻りたい
〚秋風〛
オレンジ色に染まった夕焼け空の下を泣きながら歩いた
秋風が優しく頬を撫でる
もっと強い、乱暴な風で涙も感情も吹き飛ばしてほしい
秋は私にとって優しすぎだ
〚また会いましょう〛
突然の雨
ベランダに干していた洗濯物を慌てて回収する
しかたなく六畳一間の散らかった部屋にぎゅうぎゅうに干しなおす
すると、真っ白なはずのTシャツに黒い点が見えた
目を凝らすと、
鋭利な触覚、光沢のない黒褐色の体色、そして異様に長い触脚
全人類が不快感を感じるであろう、
Gがそこにいた
私はわけのわからない言葉を叫びながら、Tシャツを思いっきり遠くへ投げた
Tシャツはきれいな放物線を描き、皮肉にも私のベットに着地した
最悪だ
Gのいるベットで寝ることなど到底できない
私は恐怖やら怒りやらの感情に任せて、Tシャツをバッと広げた
しかしそこにGはいなかった
六畳一間の角部屋、
1人ベットの前に立ち尽くし、罪人のようなヒステリックな笑みを浮かべ呟いた
「また会いましょう」