炭酸が飲めない私の目の前で
メロンソーダを飲むキミ
あんまりにも美味しそうな顔をするから
「ひとくち、ちょうだい」って
言いたくなってしまう
私の顔をみて、キミは一言
「何?飲めないくせに、飲みたいの?」
「は?お、思ってないよ。そんなこと」
「そう?それは失礼」
全く悪びれてない顔して
またメロンソーダに夢中になるキミの
変に感の鋭い所とか
それなのに天然なのか抜けてるのか
分からない詰めの甘い所とか
割と好きなんだよな
…もしかして、このキモチも気づかれてる?
そう思った瞬間、
何故かキミは、こちらに視線をうつし
ニヤっと笑った
自分の胸がドクンッと脈打って
急にセミの合唱が大きくなった気がした
お題『夏』
空ばかり見上げてるのは
いつかの世で私に
翼があったからなのだろうか
遠く高い
遮るものなど何もない
あの『蒼』い空が
恋しくて堪らない
お題『空恋』
遠くへ行きたい
私の顔を、誰が見たとしても
何処の誰だか分からないくらい
遠くへ
遠くへ行きたい
私の仕事や、生まれ故郷や
私の家族構成や友人関係
何一つ関係のないほど
遠くへ
遠くへ行きたい
生活に少しくらい不自由してもいい
人里離れた所、誰も訪ねて来れなくても
構わないし、訪ねようがないくらい
遠くへ
チリチリと身を焦がし続ける
燻る想いとは裏腹に
今日も私は『今日の私』をこなして
淡々と生きる
お題『遠くへ行きたい』
友達や家族で
みんなでワーワーキャーキャー言いながら
輪になって手持ちや打ち上げ花火をやって
最後の一本の花火が終わった瞬間
多分、あれが夏の匂い
お題『夏の匂い』
伝う音 風に乗って運ばれる香り
隙間から、こぼれる光
視覚以外の五感から
ある程度、察することはできるけど
けれど
この瞳に景色を映すまでは
本当のトコロは分からない
ホントウに キョウが
ゼツボウの アサなのか
己の被害妄想を打ち砕くには
己が築き上げた酷い現実を変えるには
目の前の布切れ1枚を
容赦なく、開け放つしかない
さぁ、外へ出ようか
お題『カーテン』