遠くへ行きたい
私の顔を、誰が見たとしても
何処の誰だか分からないくらい
遠くへ
遠くへ行きたい
私の仕事や、生まれ故郷や
私の家族構成や友人関係
何一つ関係のないほど
遠くへ
遠くへ行きたい
生活に少しくらい不自由してもいい
人里離れた所、誰も訪ねて来れなくても
構わないし、訪ねようがないくらい
遠くへ
チリチリと身を焦がし続ける
燻る想いとは裏腹に
今日も私は『今日の私』をこなして
淡々と生きる
お題『遠くへ行きたい』
友達や家族で
みんなでワーワーキャーキャー言いながら
輪になって手持ちや打ち上げ花火をやって
最後の一本の花火が終わった瞬間
多分、あれが夏の匂い
お題『夏の匂い』
伝う音 風に乗って運ばれる香り
隙間から、こぼれる光
視覚以外の五感から
ある程度、察することはできるけど
けれど
この瞳に景色を映すまでは
本当のトコロは分からない
ホントウに キョウが
ゼツボウの アサなのか
己の被害妄想を打ち砕くには
己が築き上げた酷い現実を変えるには
目の前の布切れ1枚を
容赦なく、開け放つしかない
さぁ、外へ出ようか
お題『カーテン』
チョコレート
ホットミルク
オムライス
とかは、好き、
ピーマン
コーヒー
レバニラ
とかは、嫌い、
こんにゃく
ピクルス
薬味のねぎ
好きでも嫌いでもない
この世に
あってもなくてもいい
どっちかっていうと
要らない寄り
あなたは
チョコレートみたいな人だと
おもってけど
薬味のねぎ、だったみたい
お題『好き、嫌い、』
亜熱帯地域に特有の
雨が降った直後の匂いというか
香りみたいなものがある
土と草木
コンクリートから立ち上る熱気
そういったのが
入り混じったみたいな
その香りを嗅いだ瞬間
私の頬を涙が伝っていた
あぁ、帰ってきた
帰ってきたんだなと
心に繰り返し
バカみたいに同じ言葉が繰り返される
どうやら私は
私の生まれ育った地を
香りで記憶していたようだ
私の帰郷を知ってか知らずか
空には大きな虹がかかっていた
お題『雨の香り、涙の跡』