11/23/2024, 11:00:36 AM
さらさら、砂が落ちていく。
どんな人だって、毎日、毎分、毎秒。
さらさら。さらさら。
誰かの砂時計が落ちて、砂が地面に広がっている。
溢れた砂は元には戻せない。風に乗って飛んでゆくだけ。
落ちた砂は戻せない。砂時計は逆さにはならない。
ただ流れ落ちる砂の音を、誰もが同じように鳴らしている。
「落ちていく」 白米おこめ
11/22/2024, 12:30:20 PM
誰かのブーケトスの花びらがあなたの髪に触れて、
思わず摘んで取ったそのひとひらが宙へと舞っていく。
その花びらはいつしか投げたブーケのひとひらになり、
今度は君のベールの上を滑り舞うんだ。
「夫婦」 白米おこめ
11/21/2024, 2:07:29 PM
小さな子のように泣きじゃくる貴女の手を引いて
屋上の非常ドアをくぐる以外の道は俺になかった。
「どうすればいいの?」 白米おこめ
11/20/2024, 11:31:24 AM
勉強机の、小さな引き出しのうちの、左側。
幼い頃にシールを貼ったそこには、
友達から貰ったものがたくさん入っている。
修学旅行で買った、お揃いのキーホルダー。
少し角の削れたキャラクターの消しゴム。
どこかの旅行のお土産でもらったスプーン。
宛名の書かれた、ひらがなのお手紙。
小さい頃のたからもの。引き出しのタイムカプセル。
たまに覗いて、また閉める。
私の宝箱は、机の引き出しに。
「宝物」 白米おこめ
11/19/2024, 11:52:38 AM
クリスマスキャンドルがとろけて消えるくらいに
また、おやすみの誓いを。
「キャンドル」 白米おこめ