#小さな小さな願い事

誰かの涙が、あしたは笑いに変わりますように
止まった時計が、また動き出しますように
見知らぬ誰かの願いが叶いますように

「それだけでいいのよ」とベッドに横たわる少女は穏やかな口調で言った。

奥底に秘めた大きな願い事を誰に明かすことなく

#クリスタル

きれいな人に近づくほど
自分が何の輝きもないただの石であることに
気づいてしまう

#カーテン

今日はカーテンがほとんど揺れなかった。

窓を開けていないんだからあたりまえだ。

足音がする…
誰の足音だろう、窓開けてくれないかな

あいにく私は、重力に逆らえるほど元気じゃないもので。

はぁ、今日も退屈な1日だった。
白い囲いの中でそっと目を閉じて、

明日こそ誰か窓開けてくれますように

#最後の言葉

またねって、言った時に 「うん」って
「また会おうね」って、素直に返しとけばよかった

#糸

うまくいかなかった時も
楽しかった時も
色も太さも違う日々が重なってできる
それを人は　「自分」と呼ぶらしい