おや、ぷかぷかふわふわ
浮かんでいると思っていた
ゆっくり見上げると地面に手がついて
反対側の宇宙まで声が届きそうだ
支えられて、支えて
また支えられて
時間を見失ってもここが私の居場所
うん、まだ君の声は聞こえてるよ
私の声も届いてるといいな
試してみようか、
まだ歩きだしてなかったじゃないか
水が階段を上ったり
ネズミが蟻と戦ったり
ドングリに翼が生えたり
そんな世界が恋しくなるはずさ
#逆さま
もうこんな時間じゃないか
明日早いからもう寝ないとな
今日もあの子への手紙の返事が書けなかった
明日こそは書こう
って何回目だよ
憧れのギタリスト
経歴がご立派でなぜか焦ってしまう
自分は自分の人生がある
それでいいんだって言い聞かせるけど
私が生きている世界が現在だとすると
彼らは近未来くらいにいる
そんな気がしてならない
そういえば、
病気と戦ってるやつがいたな
「諦めない」って言ってたな
あいつは今日も苦しみに耐えて笑ってるだろうか
こうやって私はまた彼を踏み台にして...
って具合に悪循環さ
せめて明日は手紙を書こう
一歩ずつ
#夢と現実
愛っていろんな形がある
私はね、その一つを
あなたに向けるよ
あなたはそれを深く受け止めないで
笑ってこぼしてしまっていいよ
その白い歯で跳ね返していいよ
それでも何度でも
私はあなたに思いを注ぐさ
そしたら気づいてくれるかな
あなたは愛に溢れてる
もっと素直に生きていいんだよ
#泣かないで
どうやらしっかり雨が降っているらしい
パラパラという雨音の裏で
空を舞う雨と
隣のいびきと
車両が道路を走る音とが
各々で個性を持ったベースを奏でている
ずっと暖かいと思っていたから
楽しみなんだ
この雨がいつしか雪に変わって
新しい景色を見せてくれるのが
その時にはまた
違った音色を聴かせてくれるかな
#冬のはじまり
暖かさって伝わりにくい
こんなに一生懸命でも
感謝してても
誤解を解こうとしても
伝わらないことがある
でもそこには
本当は過去の自分がしてきたこと
あなたと真っ直ぐに向き合えなかったこと
それらが邪魔してるってわかってる
編んで編んで少しずつ大きくなる
セーターみたいに
私も少しずつでいいから
あなたからの信頼を取り戻す
努力をします
そしたらきっと
伝わるはず
#セーター