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7/19/2024, 12:51:35 PM

視線の先には  11作目

見えるのは今日の記憶と、昨日以前のことだけ。
それでも、あやふやな断片は多いけれど。

視線の先には、明日は見えない。
それでも、明日もきっと生きているのでしょう。
また、視線の先には記憶が映るのでしょう。

7/19/2024, 10:41:45 AM

私だけ、じゃない。

7/12/2024, 4:08:46 PM

これまでずっと。 9作目

これまでずっと、冬の間はお家のなかにいた。
土と草のあったかいお布団。
冬だから、眠ってた。
冬になる前に、たくさん食べて、眠る。

いつも通り、起きた。
隣を見ると、お母さんはまだ寝ていた。
たいていいつもぼくの方が1日早く起きるから、今日はもう外に出て見た。
その時、冬の世界をはじめて見た。

目の前には何もなかった。
いつも遊んでる草叢も、ぼくの好きなお花も。
たんぽぽの綿毛みたいなふわふわが空から降っていて。
なんだろう?でも、知ってる。白、って色。
ぼくはその日は白色とたくさん遊んだ。

次の日お母さんと一緒に外に出たぼくが見た景色は、濃い緑色の夏だった。
いじょうきしょうが、起こっているみたいねとお母さんは言った。

ぼくたちは、
いつ眠って起きるのかわからなくなった。

7/11/2024, 12:12:17 PM

<1件のLINE> #8作目

一件、送られてきた写真。
飼ってる、家でお留守番している、犬の写真。

もふもふしていて、まんまる大きな目で、丸いけど顎はすらっともしているような顔で、可愛くお座りして、こちらをじっと見つめている。いつものお気に入りの毛布と一緒に。

大好き。可愛い。
早く家に帰って、会いたいな。

7/10/2024, 1:27:46 PM

<目が覚めると> 7作目

目が覚めると、生まれ変わっていた。
気分は非常に清々しく、昨日とは違う自分になっていた。

ベットから起き上がってカーテンを開けて、透き通る涼しい風と、あたたかい光を浴びる。
生まれ変わったことを祝福してくれてるみたい、と呟いてみる。
家を出る支度をして、
きちんと朝ごはんを作って、食べる。
大丈夫かな?格好はおかしくない?
いつもと同じリュックサックに、お気に入りの靴。
鏡に映る、昨日と同じの自分。
でも、確実に生まれ変わった自分。

勝手に落ち込んで、傷ついて、傷つけて、溺れそうで、優しくなろうと決めた自分。
踏み出せなかったけれど、昨日までとは少し違う道を歩いてみよう、と思う自分。
自分のペースでできること、やらなければいけないことをやろう、と思う自分。

同じ自分だった、でも同時に違う自分でもあった。
目が覚めると、生まれ変わっていた。

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