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7/9/2024, 2:01:27 PM

私の当たり前。 6作目


「起立性調節障害です。」

そう診断された、中学時代。
自分は吸血鬼なのではないか?と思うほどに朝、光が眩しくて眩しくて。 光を浴びたくない。布団から出たくない。怖い。人に会いたくない。それでも、こんなので挫けてたら生きていけない。休んじゃだめだ と思って毎日休まず、学校に行って勉強した。
心療内科も、内科も効果はなかった。
大人になれば、治ると思っていた。

けれど、高校生になっても治らない。
症状はどんどん悪化するばかりで、
影が気持ちに纏わりついて、
自分の意思で動いているのかどうかもわからない。
ぼんやりとして言葉が絡まって出てこなくなった。
視界が霞んで、真っ直ぐ相手を見れなくなった。

これが私の当たり前だった。みんなもこれが普通なんだ、と思っていた。自分だけ、うまくできていないんだと。

高校卒業。2月だった。
大学が始まるまで、あと1ヶ月半。
このままじゃ、だめだ。18歳、成人なのに情けなさすぎる。治したい。いや、治す。決めた。
泣きじゃくって親と相談して、ダメ元で接骨院に通い始めた。
そうしたら、みるみるうちに朝の光が和らいだ。

改善された。治った、訳ではなかった。
この先も、きっと治らない。でも、
当たり前が、当たり前じゃなかったことに気がついた。
視界が、霞みつつも光がみえた。
人間だと思えた。

7/9/2024, 12:41:35 AM

街の明かり。5作目

夜の静かな時間。ひとりだけの時間。

横たわっていると

窓の外に、街の明かりがひらひらと見える。

明かりの数だけ、人がいる。生活がある。

私と同じことを考えている人が、
同じことをしている人が、
私の、いわゆる運命の人とかいう人が、
この無数の街の明かりの中に存在しているのかな。

7/7/2024, 10:24:45 AM

七夕。4作目。


七夕。7月7日。天の川を超えて、年に一度だけ。織姫様と、彦星様が会える日。

この場合の関係は恋愛だけれど、恋愛に限らずのお話をしたい。

現代。
気軽に出会えて、気軽に別れることができる時代。
ずっと同じ人と過ごすことは、不可能に近い。人と人の間に、永遠なんて言葉が果たして存在するのかどうかすら疑わしい。少しずつ重なって、離れていく影同士。もつれたあやとりになったりもして。解けたりもして。

たとえ離れてしまっても
年に一度、会いたい人はいますか?


私のお願いは。

私に少しでも関わってくれた人たち全員が、離れている人もそばにいる人も、幸せに過ごせますように。彼ら彼女らがたとえ私のことを好いてなくても、覚えていなくても、願うよ。

7/6/2024, 12:16:29 PM

友だちの思い出。

 あの頃はよかったね。

 “あの頃”だって嫌なことや苦しいことはあるはずで、そんなの幻想だよ。

 まあ、そうだね。だけどさ、思い出って支えになるんだよ。だから、そう思える事はきっと、素敵なことなんだよ。人間の、特に若い人、思春期の記憶っていうのはさ、危険を回避するためにポジティブな記憶よりも、ネガティブな記憶の方が残りやすいんだよ。そう考えたらさ、”あの頃はよかった!”って思える記憶は、たとえ嫌なことと隣り合わせだったとしてもね、宝物にしていいと思うの。

これからも、支えにして生きていこうよ。

7/5/2024, 1:48:21 PM

星空。
ふと、空を見上げた。黒がもやもやとしている。
本当の星空を見たことがない。
他人に言えば そんなはずはない、私は毎日見ている とよくと言われる。
そうだろうか?都市の光に照らされ、星など見えない。
プラネタリウムで観る星だって、レプリカ同様だよ。
星空なんて、本当に存在しているのだろうか?
そんなことを思いながら、今日も帰路につく。

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