madoimeguru

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2/10/2025, 7:56:16 AM

君の背中に止まる蝶をそっと撫でる。存在しえない鱗粉が僕の鼻を掠める。
代々受け継がれるその刺青の意匠にはある願いが込められている。
「きっと私のおばあちゃんも、そのまたおばあちゃんも、同じことを思ってたんだと思うの」
──同じこと?
「人は死ぬと蝶になるんだって。だから、この背中は、そのための準備なの。あの世へ渡っても、この翅で私と判るから。想っている人にまた見つけてもらえますように、って」

2/9/2025, 12:26:48 AM

「遠く……どこか遠くへ逃げたいね」
「どこに?」
「たとえば、この宇宙の観測できる範囲のさらに外、とか」
「そんなものはあるの?」
「見えないものでも在るんだよ、って誰かが言ってた」
「観えない以上、そんな断定、私にはできない」
「その逆もまた然りだ」
「星々も死んだら天国にいけると思う?」
「あるいは地獄へ、あるいはその狭間を彷徨いつづけるんだ」

2/8/2025, 10:32:01 AM

誰も知らない秘密
密室トリック
クーラーボックス
スウィーニー・トッド
ドレスコード
ドアベル
ルカによる福音書
書簡
簡易書留
留守番電話
「ただいま電話に出ることができません。ピーっという発信音の後に、お名前とご用件をお話しください」
「…………」


「誰?」

2/7/2025, 1:55:53 PM


静かな夜明け、と聞くと薄明の空のイメージが浮かび上がる。地平から上空まで淡く引き延ばされた虹色。地には黒い家々のシルエット、まだ残る夜の色には消えそうな星々。

2/6/2025, 3:31:08 AM



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