7/7/2025, 7:47:08 AM
『空恋』
いつまでも、
いつまでも、
虚構の中で
いつまでも
いつまでも
叶わぬ恋に
想いを馳せて
葛藤して、
涙を流し
時には笑い
手を添えられる
そんな空想に
ただ華を咲かせて。
そんな恋でいい
空恋。
ただ空虚なまま
満たされる心を知らず。
7/4/2025, 6:59:25 AM
『遠くへ行きたい』
もう何もない。
思いもない。
感謝もない。
功績も、
実績も、
私という、
存在も。
忘れられてしまいたい。
消え去ってしまいたい。
どこか遠くへ行きたい。
あなたの中に残らないよう。
誰にも知られず、
密かに、静かに。
まるで
初めから
いなかったかのように。
まるで
私という存在が
夢であったかのように。
私の心が壊れてしまう前に。
7/3/2025, 6:59:13 AM
『クリスタル』
「見っけ」
小さな手で、砂を掘る。
まるくやわらかい
小さな手の上には、
キラキラとした
硝子瓶の破片。
ギラギラと光る太陽の下で
必死になって集める、
砂鉄と硝子。
煌めくクリスタル。
輝くジュエリー。
これが自分の宝物。
毎度、見せてくれる
あなたの瞳は
紛れもない クリスタル。
ずっと私の宝物。
7/2/2025, 7:21:00 AM
『夏の匂い』
風が吹く。
陽が当たる。
虫が飛ぶ。
世界が揺れる。
肌には、
刺さるように陽が差し、
背中や顔には
じりじりと
汗が滲む。
麦わら帽子と
広大な向日葵畑は
未曾有の景色。
ほら、目をつむってごらん。
青い、蒼い、
夏の匂いが
草木 そして花の匂いが。
夏を、告げる。
7/1/2025, 6:56:41 AM
『カーテン』
その隙間から差し込む光には
夏らしさと呼べばいいのか、
部屋の床には一本の線。
休日の昼下がり。
エアコンの効いた部屋で
カーテンを閉めても眩しい光。
カランと鳴るカルピス。
滴る水滴。
大量の種。
やったままの課題。
フローリングの床に、
汗で湿る肌がぴたりと付く。
カーテンの隙間からのぞく、
その光の筋は暑くて。
ふと、窓の外
金魚が描かれた風鈴が
その隙間でチリンと鳴った。