9/4/2024, 10:39:45 PM
#きらめき
この夏はどこにも行かない。
何となくそう決めて、お出かけらしいお出かけは一度もせず、友人にも会わず、エアコンの部屋で本を読んで、断捨離をして、歯医者に通って、近所の美容室で髪を切って、ゆるゆるパンツで過ごした。
意外と少しも退屈じゃなかった。
コップの中のサイダーみたいに、狭い日常にもきらめきや賑やかな泡があるのだ。
でもそろそろ良いでしょ…と9月の風が、私の袖を引っ張っている。
9/4/2024, 3:12:41 AM
#些細なことでも
些細なミスが気になって、昨日あんまり眠れなかった。
どうやら杞憂だったけど、頭ぼんやり。
痛くない大きな注射器で、このおでこの眠気をチューッっと吸い上げて欲しい。
9/2/2024, 10:51:07 PM
#心の灯火
外面に心底疲れた帰り道、急にこのまま実家に帰ろうと思いついた。
思いついたとたん、胸にポッと何かが灯る。
私が古い私に戻れる場所。
大丈夫、明日は休みだし、生ゴミは今朝出してきた。
乗り換え駅で乗り換えて。
私を見て全身で喜ぶ老犬の姿が目に浮かぶ。
9/2/2024, 12:35:27 AM
#開けないLINE
思いがけない人からの嬉しいLINEは、もったいなくてすぐ開けられない。
ゆっくり素敵な返事が書きたい。
気が利いててさりげなくて、また返信したくなるような。
用事を済ませて部屋のドアを閉めて、宝物を開けるみたいにポンッと開く。
たくさん文字が並んでいて、わくわくする。
8/30/2024, 2:31:27 PM
#香水
月が空高く昇ったころ、小さな貝殻の形をした容器をそっとわたしに握らせて、彼女はささやいた。
薔薇の練り香水なの。
ほんの短い時間、ごく仄かに香るわ。
眠る前に喉のくぼみにつけてね。
きっと良い夢がみれるから。
そうして、カーミラのように怪しく微笑んだ。