わいのにじょう

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8/31/2023, 11:21:31 PM

君と出会って、僕の胸にぽっかりと空いていた穴は、たくさんの「好き」で溢れかえった。風になびく君の髪と香水の香り。初めてのデートで行った遊園地の観覧車でキスをしたこと。「今日、親、仕事で返ってくるの遅いって」林檎より、あの日見た夕陽より真っ赤な君の顔。全て。全て残っている。今でも、そしてこれからも。ずっと、ずっと、残り続けている。

水を与えなかったら、普通、花は枯れてしまう。当たり前だろ?

枯れて、萎んで、腐ってしまった数多の「好き」を僕はまだ大事に抱えている。押し花を作るだとか、土に還して肥料にするなんてことすら出来ずに、再び花開くことを夢みて大事に大事に抱えている。

君はもう居ない。分かっているんだ。分かってるんだよ。君の笑顔も、泣き顔も、怒った顔も、何もかも、もう誰も見れないんだ。

なあ、酷いよ。

君のせいで、僕の心は満たされたんだ。

君のせいで、僕の心は愛を知ったんだ。

ぽっかり空いた胸の穴には、今でも君が残っている。

ぽっかり空いた胸の穴からこぼれ落ちようとしている君のことを、必死に抱えて守っている。

ずっと覚えてく。ずっと抱えてく。ずっと好きでいる。愛してる。愛してる。愛してる!!

だからさ。このぽっかり空いた胸の穴を。穴が空いてる不完全な僕を。空の上から見ていてくれ。