双子の私たち
いつでも一緒
私たちは一心同体
お互い思ってることも悩んでることも分かっちゃうもんね
皆、疲れない?って聞いてくるけど、私たちは悩みも好みも全部一緒
だから、疲れるなんて全くない
私の悩みのネタはあの子の悩みのネタ
ずっと一緒
死ぬまで一緒
お互い縛りあうんだ
彼氏なんて作らせない
お互い同じ人が好きだから
ほら手を繋いで。
今日はどこへ出掛けよう
お揃いのコーデ
髪を切ったばかりだから、今日はボーイッシュに行っちゃおう
カッコイイね
それじゃあ、出かけよっか
人のお肉は、本当の美味しい。ちゃんと血抜きをして、適切な処理をするとどの部位も他の動物より断然美味しい。
人を食べることは、この世界じゃ異常者だと見られる。普通の偏食者はそんな冷たい目で見られないのに。ただ、栄養偏るよ、って言われるだけなのに。
なんで人を食べてはいけないんだろう?
唯一の理解者は私の幼馴染の彼女だけだ…
でも、お腹すいちゃった。
最近、私は、全然人を食べれてなくて。
彼女と2人きりで山小屋に籠ったまま、もう、何日経ったんだろう
あれもこれも、私の偏食を認めてくれないあの人たちが悪いんだ
彼女は私を抱きしめて、こう、言ってくれた
「私を食べていいよ。大丈夫。居なくならないよ。君のお腹の中で私は生きるんだ。」
暖かかった。
私も抱きしめ返した。
「私がお腹の中で生きるために、たまにでもいいからステーキとかお野菜食べてね」
優しい声だった。
彼女の優しさを、私は喰べて、受け取った
「ありがとう、ごめんね」
ご馳走様でした
私の娘はいつも、悩み事があると部屋の片隅で膝を抱えて眠っている。起きても、お手洗い以外で動くことは無い。
ご飯は、近くに置くといつの間にか食べてくれている。
年頃の女の子の悩みは難しいものだと聞いたことがあるから、私はあまり彼女に何で悩んでいるのか聞かないことにしていた。無闇に彼女の心へ入り込んでしまっても可哀想だし、傷付けてしまうかもしれないから。
そうやって、私は今まで過ごしていた。そうしたら数日後には彼女はケロッと顔色も戻った状態で朝ごはんを一緒に食べてくれるから。
最近の彼女はよく泣いていた。
部屋の片隅でスンスンと鼻を啜る音が聞こえる。流石に聞こうかと思ったけど、でも、と悩んでしまう。ご飯も、置いても食べてくれなくなってしまった。少しずつやつれてしまっているのを私はとても心配に思った。
お父さんも、もう居ないのだから私がしっかりしなければ。
そう決心して、彼女に話しかけた。
「そんな泣かないで。何があったの?」
そう聞いた。
すると、彼女は目を見開いた。驚いたような顔をして顔を上げ、それからもう一度顔を伏せた。
無視されてしまった。それもそうか…。
だって、私は…