【赤いスミレ】
あたし、いつもLINEはすぐ見るの。
だって相手を待たせて
不快な気持ちにするのは嫌だもん。
だからいつも即レス。
もはや脅迫観念的な?
そんなある日、
道路で信号が変わるのを待ってたの。
ピコンっ。
って。
お母さんからのLINEが届いたの。
私はLINEをすぐ見た。
「見てください。お花が綺麗でした。」
写真が添えられてた。
正直どうでもいいと言っちゃえば、
どうでもいいLINE。
でも、そのお花が、
私の大好きなスミレだったの。
しかも、その中でも特に好きな、赤いスミレ。
あたしの名前と同じスミレ。
ふふっ、
と笑う。
LINEを返そうとした。
「きれいだね」って。
でも周りの人が進みだしたの。
だからスマホをしまいながら歩いた__
体に衝撃が走る。
悲鳴が響く。
周りには、血。血。血。
近くに私の血で染まったのか、もともとそうだったのわからない車。あたしも赤で染まる。
痛い、痛い痛いいたいいたいいたい痛い。
ピコンっ。
また通知が鳴る。
無意識に、割れたスマホを、取り出す。
でも、LINEを開けるほど、あたしは、
ちからがのこってなかった。
開けないLINE。
おかあさん。
そうボヤいて、あたしのいしきはなくなる。
神様を完全で完成されたものだとするなら、
僕は…
あぁ、なんて不完全…!
僕は神になりたい。
だって唯一この世界で力を持つから。
この力で僕は君を救いたい。
なんなら、君が存在しないこの世界を消したいんだよ。
君が置いていった、イルカのアクセサリーは
まだ残ってるってのに。
どんな気持ちで僕はこれを持ってればいいと言うんだ?
僕を助けなかった他人より、
僕を救ってくれた君の方が先に死んじゃうなんて。
きっと神様は心がない。
この世は童話と違うんだ。
そんなの分かってるよ。
君が居なくなったら生きてけないなんて。
やっぱり、
不完全な僕。
あなたの使っていた香水を買った。
あなたの残り香が消えてしまったから。
あなたに振られた瞬間から、
私の心の形が分からなくなった。
あなたは私にたくさん愛を教えてくれた。
それは、いいことなのか分からない。
けど、愛は暖かかった。
でも、愛は消耗品だから…。
今は寒くて凍えているの。
愛を知らなかったらこんなことはなかった。
あなたの私を撫でてくれた手、
叩いてくれた手、
汚い事を…してくれた手。
嫌なことを受け入れるのも、私は、愛と知ったの。
だから…
あなたを感じるために、
部屋に香水を一振り。
あなたの匂いが充満した。
この部屋なら、息が出来た。
いつでも、あなたを見ている…。
あなたがいつも…
愛おしくてたまらない。
だから…
言葉はいらない、ただ…
僕はあなたを見守りたい。
あなたが死にそうになった姿を見てから、
あなたから目が離せない。
お願いだから…
僕の知らないところで消えないで。
あなたが辛い思いで死ぬような世界になりませんように。
僕はもういないけれど。
恋人の君が悲しまずに
一人で生きれるか心配だ。
幽霊になっても、君が心配で成仏できない…
なんて、君が聞いたら…笑うかな。
また、笑ってくれるかな。