好き嫌いはあるきっかけがあれば簡単にひっくり返るので、あんまり当てにならない。
いい加減な価値観だけど柔軟と呼べなくもない。
私の場合だ。

世界の終わりに君と手を繋いで
海を見に行こう
浜辺をどこまでも歩き
思い出を語り合おう

空が裂けてくる
閃光が裂け目から水面に突き刺さる
私の髪は逆立ち
君は「怖くないよ」と囁いた

もうすぐ世界が終わる
ふたりで手を繋いだまま
子供の頃に習った歌を歌おう
何も怖くなんかない
もうすぐふたりは溶けてひとつになる

誰にも言えない私の秘密

ネットに小説を投稿していること

私が失恋したらミサトちゃんは何故だが嬉しそうだった。
ミサトちゃんもあの人が好きで
振られた私のことをザマーミロと思ってたんだとずっと解釈していた

ミサトちゃんが本当に好きだったのは私だったと知ったのは、最近だ。
遠い町で旦那さんにＤＶを受けて死んでしまった彼女のお葬式に行った帰り、同じクラスのサトウさんから教えられた。

その時は実感がなかったけれど
家に戻ってから昔の写真や手紙を見てると涙が溢れてならなかった

また失恋したら私に愚痴ってきなよ

ミサトちゃんの言葉を思い出して
子供のように大声で泣いた

梅雨は嫌いじゃない

温室に閉じ込められ
甘い香りと湿度に炙られながら
曇った硝子から外の世界を見る

外は溶けて流れていく水彩画のよう