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3/11/2025, 7:47:41 PM

『星』、夢みるラッコ

あたりが真っ暗闇に包まれるころ、恐ろしいほど何も見えない黒い黒い海のなかで、ラッコが一匹、ぽつりと浮かんでいました。

若いラッコはついこの間まで、お母さんと一緒に、お母さんのお腹の上で寝ていたものですから、ひとりぼっちで眠りにつかなければいけないことが、寂しくて寂しくて仕方がありませんでした。

はじめは、こんなの何てことないさと、心の中で自分に言い聞かせていたラッコでしたが、なかなか寝つけないでいる内に、とうとう我慢しきれず、しくしくと泣きだしてしまいました。

しばらく泣き続けたあと、しだいに泣き疲れ、ようやく眠りにつくことができました。明くる日も、明くる日も、泣いては寝て、泣いては寝てを繰り返しました。

そんなある日、ラッコは夢をみました。それはとても不思議な夢でした。夜空にきらめくたくさんの星々が、突然うずうずと揺れ動きはじめたかと思うと、あまくておいしそうな金ぺいとうに姿を変えて、ぱらぱらと落っこちてきたのです。

ラッコがおそるおそる、近くに降ってきたその内の一つを拾い上げ、口にすると、どこか懐かしく優しい味がして、とてもしあわせな気持ちに包まれたのでした。

その後、目が覚めてからも、ラッコはその夢のことが頭から離れませんでした。そして、それからは、夜になって、ひとりぼっちで夜空を見上げても、ラッコはほとんど寂しくならず、眠りにつけるようになったそうです。

9/10/2024, 5:51:26 PM

あれだけ大事にとっておいた糧を、こんなにあっけなく手放してしまわなければいけないなんて。

大人というのは何とも身勝手なもので、

十代の多感な時期に、私は自分が“普通”にはなれないことを知った。