はぁ…と白い空気を吐き、赤くなった指先を温める。
どれだけ温めても冷めて痛み始めてしまうのは、心を写しているからだろうか。
早く温まって欲しくて、痛みが消えて欲しくて手袋をはめても、まだ痛みは消えない。
君の誕生日だから、祝おうと用意してたんだよ。
喜んでもらえるかなって考えながら、プレゼントを用意してたんだよ。
でも、君から帰ってきたのは拒絶だった。
今まで何も言わずにこにこして、他愛のないこと話して、タイミングでもはかってたの?
1番傷つけるタイミングでもはかってたの?
おめでとう、君の企みは大成功だ。
おめでとう。
ふと時間が空くと考えてしまう。
考えても苦しいだけなのに。
何回頭の中の君に問いかけたって、答えなんか帰ってこない。
どれだけ罵ったって、楽にさせてくれない。
苦しくて苦しくて、消えてしまいたくなる。
自分とは違う、広く青い晴れた空に吸い込まれるように。
消えてしまいたい。
大事なこと何も話さなかったくせに。
とりとめのない話しかしなかったくせに。
いきなりさよならなんて、納得出来るわけないじゃない。
嫌なとこ我慢してた?価値観が違うと思った?
それ1度でもこちらに話したことないじゃない。
価値観や考え方が違うのは当たり前じゃない。他人なんだから。
自分だけ我慢してたと思うの?君にだって嫌なとこいっぱいあるよ。
気持ちを察して欲しかった?
甘えるなよ。
他人の気持ちを、完全に理解なんて出来るわけないじゃない。話してもないのに、何を察しろと言うの?
なんで、何も言わなかったの。
話す機会なんて星の数ほどあったじゃない。
あなたの口は、なんのために着いているの。
君は傷つきたくなかっただけだ。嫌われたくなかっただけだ。嫌な人間になりたくなかっただけだ。
新しい居場所が出来たから、どう思われようと良くなったのか。
痛みも傷も、全部全部押し付けて、さぞかし軽くなったでしょう。空をも飛べる気分でしょう。
君が押し付けた傷で、地面に倒れ込む人がいることも考えずに。
キンと冷たい風が吹く。
いつもは嫌がる存在だけど、今はまだかと望んでいる。
風が吹く度、その中にそれを探す。
どうしようもないこの気持ちを、早くその白で埋めつくしてくれ。