『届かないのに』
年に何度か、母にメールを送る。
嬉しかった時、悲しかったとき、辛いとき、なんでもない思いつきのときも。
もう何年も。
もうどこにもいないのに。
届かないのに。
当然返事もない。
それでも、止めてしまうとかすかに残った母の気配をも消してしまいそうな気がして。
いつまでもこうしているのも良くないかもしれない。天国の母に心配をかけてしまっているかも。
お母さん。
もう少しだけ、もう少しだけそうしたら、ちゃんと大丈夫にするから。
ごめんね。あと少しだけ付き合って。
『記憶の地図』
私の記憶の地図は、今ではすっかり古く薄くなってしまっていて、今ではもう無い道や、昔はなかった道、どの道がどうだったのか、もう参考程度にしかならない。
だから紙は古いままだけど、もう無い道は消し、新しい道は書き足して、また新しい記憶の地図を創るしかない。
それは、少し面倒だけど、ワクワクする作業に違いない。
『マグカッブ』
娘が父の日に、とマグカップを夫に贈った。
シンプルなマグカップに、飾り付けをしたもの。
一生懸命考えたんだろうな。
可愛いマスキングテープで縁取り、油性ペンで
「お父さん、いつもありがとう!」
と書いてある。
本当可愛い。
ありがとう!でもこれ…、使ったり洗ったりしたら取れちゃうよね?
夫、喜びつつも少し困惑顔。
このままで。
このままで取っておきましょう。
世の中のお父さん、いつもお疲れ様です。
Happy Father's Day !
『もしも君が』
新しい何かを買ったとき、つい、それを擬人化して妄想してしまうことがある。
服だったり、食器だったり、文房具だったり、モノならなんでも。
たとえば服。
クローゼットの中がちょっとごちゃごちゃしてると、新しい服に
「え、汚っ。」
と思われるんじゃないかと思って、そうならないために整理するとか。
食器なら、食器棚の中に新しい食器が入ると、すでに家にある食器達が実は排他的で、
「余所者が来たぞ」とヒソヒソして、新しい食器は、最初は居心地が悪いのだけどだんだんと解りあってくるストーリーを妄想するとか。
…自分で書いていてなんだけど、何を書いているんだろう?お題とちょっと違うような。
よくわからなくなってきた。
まあ、いいや。こんな日もあるってことで。
『君だけのメロディ』
ごきげんな時はダンスミュージック。
眠い時にはお経。
怒ってるときにはロック。
泣いてるときにはバラード…というにはけたたましいな。どちらかというとシャウト。
どれもこれもオリジナル。
素直な感情の君だけのメロディ。
本当、子どもって見ていて飽きない。