雫
心が疲れてしまいました
一生懸命歩んでも
その道のゴールは見えなくて
辛くて涙が雫となった
この雫は海に辿り着くのかしら?
この雫は目の前の小さな蕾
咲かせるかしら?
この雫は月を綺麗に映すかしら?
この雫よ 冷たく凍りつく前に
溶かしておくれ
この雫が 無駄にならぬ様に
力貸しておくれ
小さな蕾が小さな花咲かせられる様に
あなたよ少しでいいから
手を貸しておくれ
2023年 79
無色の世界
無色なんだ
楽しいとも思わない
生きていたいとさえ思えない
何もかもただ
通り過ぎる風みたいに過ぎていく
この指から零れ落ちるものは何?
大事な物を大事にしたい
その思いだけで
駆け抜けてきた
その想いが全て落ちていった
人間が人間に見えない
そんな心にさえ
私はなっていた
無色でいいや
その方が目立たない
私らしく生きていける
無色の世界が好きだ
誰も私が見えないでしょ?
もう空気みたいになって
大切なものをずっと見ている
そうするしかない
周りの人の優しさなんて
ない世界に疲れたから
2023年 77
見つめられると
呼吸が止まりそうになるよ
あまりにも真っ直ぐな
あなたの瞳が
優しい二重の瞳
イタズラそうな仕草見せる時
どの瞬間(とき)のあなたにも
私は釘付けで
ずっと見ていたいけど
照れくさくて
時に顔を隠したりして
もっと地くに
あなたを感じていたいような
でもこの距離が
ちょうどいいのかとか
思う時もある
あなたに見つめられると
嬉しい思いが破裂しそうで
あなたの顔見たいけど
照れくさくて
時に顔を隠したりして
でもドキドキしながらも
待っている
あなたとの時間
2023年 68
ないものねだり
見つからない 見つからない
自分の良さ
人だけ輝いて見えて
自分は野良猫のようさ
暗いところでこっそり
生きていきゃいい
華やかな場所は似合わない
探している 探している
でも本当は
自分の良さを探している
比べなきゃいいのに
比べてしまう
そしてしんどくなって
時々その苦しさに
耐えられなくなり
自分は一人死にたくなる
ないものねだりばかり
繰り返し
人を妬んだりしたり
見苦しい
ないものねだり
自分には見つからない
良いところ
一つも見つからないから
ないものねだりばかりして
一人苦しんで
自分は行きたい
苦しまずにいられる
一人の空間
2023年 63
「好きじゃないのに」
好きじゃないのに
あの日何故あなたを頼ったのだろう?
誰か一人でも話して聞いて欲しかった
ただそれだけだった
なれない距離を
電車は走る
家が少なくなり山が多くなり
冬は寒く雪が積もり
奈良を超えて三重に入る
来た事がないのに
なんか優しい風景は
懐かしい感じがするんだろう
ただ理解者が欲しかった
それが偶然あなただった
好きじゃないのに抱かれたのは
一夜でいいから誰かに
大切にされたくて
2023年 62