「好きじゃないのに」
好きじゃないのに
あの日何故あなたを頼ったのだろう?
誰か一人でも話して聞いて欲しかった
ただそれだけだった
なれない距離を
電車は走る
家が少なくなり山が多くなり
冬は寒く雪が積もり
奈良を超えて三重に入る
来た事がないのに
なんか優しい風景は
懐かしい感じがするんだろう
ただ理解者が欲しかった
それが偶然あなただった
好きじゃないのに抱かれたのは
一夜でいいから誰かに
大切にされたくて
2023年 62
ところにより雨
晴れ女になりたかったけど
あなたはあまりに遠すぎて
寂しくて寂しくて
会いたくて会いたくて
つい口走ってしまった
寂しいって
寂しい気持ちは
SOS(ヘルプ)を求めてる
我慢していた気持ちの糸が
切れたかのように
泣いてしまった
晴れ女になれなかった
うん そう笑えなくなっていた
この雨止みますか?
この雨止ませて下さいますか?
差し伸ばす手はあなたを求めてる
ところにより雨
そしてのち曇り
そして晴れになりますように
あなたの手探してる
今も待っている
2023年 58
「バカみたい」
バカみたい
私一人で悩んでただなんて
誰にも言えないけど
気持ちが高まるばかりで
時々優しい言葉をかけてくれるあなた
好きでいてくれてるのかな
そうだといいな
やっぱり妄想かななんてね
振られてもいいから
好きと言えば
心は楽だったのかな
今思えばそう感じるけど
言えなかった
自信がなかった
自分の魅力なんて
一つもないと思っていたから
だけど
バカみたい
悩んでたあの日が
バカみたい
あなたの思いは
すぐ傍にあった
信じられないけど
私のすぐ傍にあった
悩んでたあの日にさよなら
私はあなたを愛してく
好きになった気持ちに
後悔しないように愛してく
2023年 55
「あなたのその声が」
お気に入りなんだ
誰にも教えたくない
独り占めしたいんだ
温かい空気が流れてる
この空間 この時間
幸せな時間
小さな私の幸せを
誰にも邪魔されたくない
あなたと過ごす時間の全てが
私の癒し
お気に入りなんだ
誰にも知られたくない
独り占めしたいんだ
あなたのその声が
2023年 31
「10年後の私から届いた手紙」
大人になりたい
あの頃はただそう思った
貴方を好きになった時から
10も離れていたから
貴方から見て私は
きっと子供扱いして
私を一人の人として
見てくれなさそうで
手紙にはたった一行
大人になって
貴方に相応しい人になりたい
そう記されていた
大人になった頃には
貴方の右側には
もう素敵な女(ひと)がいて
心がつーんと痛くなり
涙零れた
この涙は冷たそうな水色で
今日の雨に混じった
2023年 29