「10年後の私から届いた手紙」
大人になりたい
あの頃はただそう思った
貴方を好きになった時から
10も離れていたから
貴方から見て私は
きっと子供扱いして
私を一人の人として
見てくれなさそうで
手紙にはたった一行
大人になって
貴方に相応しい人になりたい
そう記されていた
大人になった頃には
貴方の右側には
もう素敵な女(ひと)がいて
心がつーんと痛くなり
涙零れた
この涙は冷たそうな水色で
今日の雨に混じった
2023年 29
「バレンタイン」
初めて好きな人を思い
小さなチョコを買った
好きだなんて
言った事すらない相手なのに
そんな相手に渡せる訳ないよ
相手がどう思うか考えたら
もうそれだけで足が震える
第一今日のその日に
会えるとも限らないのに
私はあなたを好きでいても
あなたから見たら
私はただの子供なんだろうな
そんな相手に渡せる訳ないよ
相手が私なんて相手にしないよ
もうそれだけで惨敗さ
カバンにひっそり忍ばせたチョコは
渡せないままだった
カバンの奥の方で
寂しそうにただ私を見つめている
渡せなかったけど
渡せなかったけど
好きです
届かないけど
届かないけど
好きです
切ない一人きりのバレンタイン
2023年 27
「待ってて」
待ってて そう言われた
でもいつまで待てば良いのだろう?
一人だった 不安しかない
空が暗くなり冷たい風が吹いても
一人だった ただ泣けてきた
せめて話しかけてくれる人がいたならば
せめて音楽でも流れていれば
気が紛れたのかな
いつも傍に居て欲しい人は
傍に居なくて
誰に頼ればいいのか
誰に甘えたらいいのか
誰に相談に乗ってもらえばいいのか
ずっとずっと探しても見つからず
一人だった 不安しかない
待っていたらさ
幸せな事やってくるのかな
幸せな事ってどんな感触で
どんな音を立てて
どんな色を奏でるんだろう?
待っているから
ずっと待っているから
私だけに下さい あなたの全て
2023年 26
「この場所」
この場所が
自分の夢への再スタート
夢への道は
真っ直ぐじゃない事は分かってる
険しく大変な事も分かってる
でも生きてきた時間も
人生半世紀過ぎた
ならばやりたい事をやろう
足掻くだけ足掻こう
ただ自分らしく生きていこう
この場所で歌う歌がさ
誰かに届け
大切な人に届け
夢への架け橋渡れる様に
私はただ我武者羅に駆けてくよ
2023年 25
「花束」
幾つの言葉の花束を
贈れば貴女に伝わりますか?
ありがとうの花束と
ごめんねの花束と
色んな素敵な花の中
そっと一輪
貴女の好きな花を入れて
笑ってくれるといいな
思い出して
名前呼んで貰えるといいな
どんなに貴女に伝わらなくても
どんなに貴女が遠い存在でも
ずっとずっと待っている
サンダーソニアの花を持って
ずっとずっと待っている
2023年 24