うっすらとした憧れは
どれも自分には無いものばかりで

合わないからと手に取らなかったもの
望んでも手に入らなかったもの
最初から持ちようがなかったもの

何かのきっかけで思い出し
時々空に向かって叫ぶ



: 空に向かって

一時期、母国語が違う人と日本人の混成チームに放り込まれて仕事した時はカタコト単語えいごとGoogle翻訳のテキストの怪しい言葉が頼りで、脳が飽和してた

帰り際の「お疲れ様でした」が「しーゆー！」で
それがなんか好きだった



: またね！

年度が変わるところって、舞台の幕が変わるように
さよならと肌寒さで切ない季節から
いきなり世界が変わるよね

桃色と山吹色と萌葱色の第二幕 みたいな




: 春風とともに

流れなかった涙は自分の何処かにひっそり流れ着く

そこが無意識のうちに容量ギリギリまで湛水したら
オーバーフローに任せるのではなく
コップをひっくり返すようにリセットするのがいい



: 涙

卒業式の後、好きなひとがピアノで弾いていたから
テンペストはそれからずっといつまでも春の曲


: 記憶