『理想のあなた』
初恋が理想ってよく言うけど、私なんてまさにそう。
間違ったことをしたら2人きりになった時に怒ってくれて
みんなの前では好きじゃないしって言うのに
2人になると大好きだよって言ってくれて
声を聞かずとも理解ってくれて
笑うと目が三日月になって
ずっと仲良くしてねって年が変わるたびに言ってくれて
誕生日を毎年1番に祝ってくれて
幼稚園の時みたいにずっと隣にいてくれて
忽然と私の前から姿を消した。
次話せるのはいつだろう。
昔みたいに急に電話してきたりしないかなーなんて
君はきっと私のことなんて忘れてるのに。
恋人になりたいなんてもう言わないから。
友達として、親友として、幼馴染として、
私の隣にいて欲しいなんて我儘なのかな。
『二人ぼっち』
体育教師に嫌われていた僕は、
明らかに1人じゃ持てない量の荷物を
授業終わりに運ぶよう指示された。
そんな時、君はすぐ僕の所に来てくれた。
嫌な気持ちだったその時が
幸せな時間へと変わった。
みんなが教室に戻った後の体育館で
僕たちは二人ぼっちだった。
『夢が醒める前に』
忘れかけた頃に君はまた夢に出てくる。
まるで忘れないでと言わんばかりに。
夢が醒める前は昔みたいに仲良くしているのに、
夢が醒めたらそれはただの幻想だと思い知らされる。
そして起きた僕は、
夢が醒める前のように戻れたら、と願い
さっきの続きを見るため、また眠りにつく。
『怖がり』
昔は、ひどく怖がりだった。
絶叫系もだめ、怪談話やお化け屋敷もだめ。
そんな僕はいつの日か、
死んだ方が楽だと思い始めるようになった。
自ら死を選ぶことが怖く、
自分で死ぬことはできなかったが、
どこかで死んでしまうのは、
仕方のないことだと思うようになった。
ビビリだった僕は、あの頃から恐怖心が消えた。
『ずっと隣で』
ずっと隣にいてくれると思ってた。
隣にいるのが当たり前で、
君がいない生活は考えられなかった。
高校は別々になってしまったけれど、
「これからも仲良くしてね」って
言ってくれたのが嬉しかった。
だけど気づけば連絡は途絶え、
その後会うことはなかった。