t「ささやき」
最初は挨拶するだけだった。
朝教室のドアを開けたら目が合うからおはようってお互いに言うだけ。
仲良くなってからお昼を一緒に食べるようになった。先に自分が場所取りをして、自分を探す君を見つけて大声でこっち!と叫んだ。
もっと深い仲になって子どものように隠れるように身を寄せあって、二人でクスクスとささやき笑い合う。
いつの間にかそんな距離になるまで自分たちは仲良くなってた。
t「星明かり」
夜空を見上げればまんまるなお月様が浮かんでいる。
パッと目に入るそれはまるで物語の主人公のようだ。
不規則に散りばめられた星明かりはモブたちみたい。
それぞれに名前があれど一際輝くそれには勝てない。
そんな事を考えながら今日も星明かりの道をたどる。
t「春恋」
冬の寒さがなりをひそめ、暖かな風が髪を揺らす。
桜の花が少しづつ開いて春の訪れを知らせてくれる。
春は出会いと別れの季節。
お世話になった人びとを見送り
新しい人びとを迎える。
この新しい出会いに心躍らせながら春の出会いを楽しむ。
様々な所でまた様々な出会いが訪れる。
そこでいつか恋におちたい。春は恋のきっかけの季節。
t「未来図」
自分の未来を描いてみましょう!
なんて授業未だにあるのかな?
生きてるのかもわからない先の未来に、きらきらな瞳を輝かせて自分の思うままに描く。そんな純真無垢な気持ちを利用した授業。
でも大人の思うものを描けないと否定される、おかしいよね自分の未来図なのに、他人が口を出していいはずじゃないのに。
子どもの発想は無知であり既知もある。自由でもあり縛られてもいる。
子どもの思う未来にあまり大人は口を出さないでほしいな。
t「風景」
ある景色を思い浮かべて目を閉じる。
ずっと目指しているあの場所に行って自分は色んなものに照らされている。
その光景を勝ち取るために今、いきている。
色とりどりに照らされた光は祝福するかのように輝いている。
きっとそこに立った時、自分は一歩引いてみてしまうだろう。
嬉しくて涙が勝手にこぼれてきそうになるのを我慢するために。
まるでそこに広がる風景を眺めるように、本人のような他人事のような、そんな気持ちでそこにいるかもしれない。
だから今のうちにシュミレーションしているんだ。
目指したあのステージに立ついつかの日を。